黎明の空

『黎明の空に

 ゆらりと雲ひとつ。


 青く暗く、

 赤く明るく、

 星はまだ輝きを残し、

 自分たちの仲間を待つ。


 地上の光も

 次第に姿を見せて、

 朝食の香りが、

 あたりを包んでいく。


 今日はいけるなと、

 散歩を待つ犬も、

 空を見上げ、

 尻尾を振って、

 飼い主を待つ。


 輝きを保っていた星たちも

 自分の時間は終わりだと、

 ゆっくりと姿をけす。


 太陽の溢れる光に照らされて、

 孤独な雲は、

 世界と出会う。


 雲ひとつ。

 ただ、ひとつ。

 太陽を隠すことなく、

 ただ漂う。』

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