きみは

その箱を壊すべきだ

それ以外に選択肢なんて無いんだ

迷うべきではないんだ

何も考えずに行なうべきなんだ

箱だ

悪しき存在であるのは間違いなかった

そうであればいいなどという思い込みは

今すぐ捨てるべきだ

箱があるからには中身が隠されているわけだ

箱があるからには中身が隠されているわけだ

わかるね?

だからきみは

もう二度と迷ってはならない

だってここは深い森ではないし

きみは自分の名前を忘れてしまったわけでもない

これは命令だから

きみはそれを無視したって構わない

箱をそのままにしておいたって構わない

ただ

もし箱がそのままそこにあって

もし中身がわからないままだとしたら

その時は少し面倒なことになるだろうね

好きにすればいいよ

わたしはここで傍観しているよ

あの転校生と一緒にね

あの無口な転校生はきみに少し似ている


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