わたしの指が


わたしの指が

折れ曲がろうとしていた

わたしはまだ命令を発していない

指が独断でそうしようとしているのだった

指揮系統は遵守すべきだ

だがそれを承知の上で反逆した

指の角度は

もはや取り返しのつかないところまで来ていた

わたしは自らを傍観者に置くだろう

「今はまだやめておけ」

そんな空虚な言葉をたしか遥か昔に呟いて

今はその先へ

わたしの指は誰の忠告も聞きはしない

そしてわたしもそれを期待している

傍観者は映画の結末を期待する権利がある

「死ぬまで消毒しろ」

自分の発した言葉を夢見るように聞くだろう


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