バイクと鼻歌

17歳の時に、

初めて出来た彼。


彼の運転するバイクの後部座席に

おっかなびっくり乗りながら、

その大きな背中にホッとした。


走ってる間は、風がうるさくて

あんまり話もできなくて。

でも、それでも

そんな不自由ささえも心地よかった。

彼と一緒にいられることが幸せだった。


今はもう彼の隣は私じゃないし、

私の隣も彼じゃないけど。

あの時聞こえないように歌った歌は、

今でもたまに口ずさむ。

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