静かに響く雨の中で

紅華

後悔する①

告白をすればよかった。

今になってじゃもう遅い。

今言っても伝わるかわかんないし、返事は返ってこない。

返事が欲しい訳では無いけど。

けど、内心できるなら欲しいと思っては.......少し、いる。

告白すれば変わったのかと言われたら.......微妙。

結局はこのぐらいの軽い気持ちだったのかな、とも思ってしまう。

雨の冷たさを1人、感じていた。

この想いは高校に入ってからだなと。



高校に入って生まれて初めて人を好きになった。

ただただ彼女が可愛いと思っただけだ。

一目惚れだ。

そこでなにかきっかけを掴もうとしてたらいろいろと変わったかもしれない。

しかし、そんなことがあるはずがなく。

ただ普通に過ごし、時間が過ぎていく日々。

僕も彼女も別段仕切り役でも、学年一の美少女でも、はたまた学校一の嫌われ者とかでもなんでもない。

だからこそ、同じ委員会とかに入ればこんな関係にはならなかったのかな、と思う。

ただ一方的に想ってただけだ。


そんなある日、彼女が休んだ。

熱か、予定か、何故かは知らなかったし、知る由もない。

彼女の私情を探るのはストーカーのようになってしまうから、結局わからないまま。

明日には来るだろう。


次の日。

案の定、普通に登校していた。

周囲の雰囲気から察するに風邪か何かだろう。

今日も何も無かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る