スラップスティックアニメ
そんな調子で三度『やらかし』て、さすがに
が、
『バドに襲い掛かる』
ということについては何故か諦めようとしない。彼にとってはよっぽど腹に据えかねる存在なのだろう。
とは言え、バドとしても彼を観察する役目が与えられている以上、それを放棄することもできない。ロボットには、
<自身の役目を放棄するという概念>
がないのだ。自身がそれを果たせなくなれば別の機体に役目を引き継ぐだけだし、バドはそういう意味ではまったくもって健全なので、引き継がなければいけない理由もない。
ちなみに、基本的にはメンテナンスフリーの設計になっていて、部品が故障でもしない限りメンテナンスを受ける必要も、少なくとも数年はない。メンテナンスが必要になれば回収に来てくれることになっている。
で、毎日のように
その姿は、どことなく、
<間抜けなネコと賢いネズミの追いかけっこを描いたスラップスティックアニメ>
を思わせた。
そして逃げ切ると、
そんな状態が数ヶ月続き、遂に、
すると今度は、徹底して無視し始めた。
さりとて、バドとしてはむしろその方がありがたく、しかしなるべく
そんなバドの体に、やはり小鳥や昆虫がたかる。
よく見ると全体的に薄汚れたような印象になってきているが、ロボットであるバドは、生き物のように自身が臭くなったりはしない。付着したものが臭いを放つことはあっても。
とは言えそれすら、逆に、自然に溶け込むには都合がよかっただろう。最初の頃に比べても、密林の中で佇んでいても違和感がなくなりつつあるようにも見える。
が、そうして違和感が薄れてくると、今度は、密林の動物達がバドを恐れなくなっていったようだ。
特に、
特に<突進>は、大型の個体ともなると五十キロはあるので、下手に食らうと人間の内臓くらいは容易く破裂させるだろう。
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