侵略の意図
「……」
空を飛んでいた方を険しい表情で睨みつけながら、
しかしその瞬間、
「!?」
彼は何かの気配を察してそちらに視線を向けた。同時に体も回転させて身構える。
が、別段、何かがいるようには見えない。見えないが、彼には察せられているのだろう。異様な<何か>が発する気配が。
もっとも、先方には彼を害する意図などまったくなかったが。
密林の下草に隠れて彼の姿を見つめていたのが、<ドーベルマンMPM四十二号機>=<バド>だった。
バドの役目は、あくまで
<妙齢の女性>にも見える者が一糸まとわぬ全裸でいても、何一つ動揺することもないし何も感じない。ただ、<記録する対象>として見守っているだけだ。
とは言え、そんな事情は
が、しばらく様子を窺っていても何も起こらないことで、
「……?」
縄張りの見回りである。
この時も、
「!!」
彼の全身に再び緊張が走る。木の陰から、女性がこちらの様子を窺うように覗き込んでいたのだ。が、それは決して<女性>ではなかった。伸ばし放題の髪が体に絡みつくように貼り付いているもののその体には他に何もまとってはいない。完全な全裸だ。
そう。<
それを確認すると同時に、彼は猛然と密林の中を駆けた。頭頂高約二メートル半、全長約三メートルの巨体でありながら、木々がうっそうと生い茂るそこを、苦も無く走り抜けていく。
すると相手も気付いたのか、身構える気配があった。どうやら引く気はないようだ。
となれば、することは一つ。
<力による排除>
だ。
それ以外は、同種であろうと<敵>だ。
敵は殺す。
その衝動だけが、
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