20話

「お姉ちゃん、お待たせ!!」


「わっ?!真夜!!」


 色々悩んで考えてたらいつの間にか真夜が来ていたから、とりあえず真夜に対する気持ちは半分は恋で合ってるってことにしとく。


 飛んで家に戻る途中に辺りを確認したけど、何もなさそうだったから明日はまた別の方向を探索することにした。


 家に到着する頃にはもう日は暮れていたので、すぐに夕飯の準備を始めた。今日は真夜が獲ってくれた魚を塩で焼いて食べる予定なので、真夜が獲った魚を転移させた、家の使ってなかった一部屋に入った瞬間、私は「おわっ!!」と驚きの声を上げた。


 部屋は結構広く作ったはずなのに、その部屋にびっしり氷で固まった魚があった。その魚の種類も、パッと見で色々な個体があり、中には他の魚たちより明らかに多い、龍っぽいのも数分割して固まっていた。


 前の世界や、さっき海で私も見た覚えのあるもいるけど、同じ気候では生きられないような魚も一緒に獲れてる。前の世界で見覚えがあるといっても少し違う部位があったりするので魔物だけど。

 魔物は気候とか関係ないのかな?


 どの魚使おっかなー。知らない魚を知りもせずに食べるのは怖いから前の世界でも見たことがあるような魚がいいなー。ついでに塩にちょうどいいのはないかなー。と悩んでいると、一つ条件に合う魚が目に入った。


 秋刀魚だ。旬は生だと夏から、焼きは秋からだった覚えがある。

 塩焼きにするつもりだから秋だといいんだろうけど、この世界の今の季節は秋か、そもそも季節が変わるのか分からない。まあ旬じゃなくても美味しいでしょ。


 てなわけで今日の夜は秋刀魚の塩焼きになった。量が足りるか分からないから、一応肉も準備しておく。


 せっかくの秋刀魚の塩焼きなので、炭火焼きにすることにした。炭は木を燃やすときに、木の中の炭素が空気中の酸素と結合しないようにすればいいだけだから、魔法で酸素がない空間を創り、その中で木を燃焼させる。目論見通り炭ができた。


 魔法で土と石を使って簡易のかまどを作って、秋刀魚の下ごしらえをする。といっても、鱗をとったりするぐらいだけど。

 その秋刀魚に塩を八つまみ程度かけて、十五分程度おき、キッチンペーパーなんかはないので風の魔法で水分を取り除き、かまどで炭火焼きをする。

 両面八分程度焼いたら完成。いい匂いが漂ってくる。


「「いただきます!」」


 噛むと皮がしっかり焼けてるのか、パリッといい音がなって、臭みもなくて美味しい。私と真夜は夢中になって食べて、気がつくと全て食べきっていた。




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side:真朝


 スライムを送り込んでみたけど失敗したから、次は強力発情粉持ちトレントを送ってみると、ディープキスまでさせることに成功した。

 インキュバスは、真昼ちゃんと真夜ちゃんを襲おうとした時には絶滅させてやろうかと思ったけど、返り討ちにあってて更には真昼ちゃんに気持ちを気づかせたから心の中で褒めてあげた。まあ、神を襲ったから種族ごと全滅させたけど。別にキーストーン種ってわけでもないし。


 それで、今私に天才的な考えが思い浮かんだから、それを実行しようと思う。

 真夜ちゃんの、スライムとトレントに襲われた時の記憶を思い出させるのだ!!

 

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