19話
「それで、海から持って帰れるものって何があるっけ?」
私はなんとか気持ちを切り替えて真夜の質問に答える。
「えーと、魚とか海藻とか?海水から塩も取れるか」
「うーん…お姉ちゃん、魚は狩れる?」
「あ……お願いしていい?私は海藻と塩とってるから」
「うん、任せて!じゃあ終わったらここに集合ね!!」
そういうと真夜は海の向こうへと飛んでいき、潜っているのが見えた。
私は真夜とは違う方向に飛んでいき、海に潜る。
「うわあ…!」
魔法で目が海水でしみないようにして海の中で目を開けると、前の世界でも見たことがないほどの綺麗な景色が広がっていた。海水はエメラルドグリーンで透き通っていて、見たことあったりなかったりする、多種多様な生き物が泳いでいた。しっかりと海藻も様々な種類がある。
しばらくその景色を味わってから海藻を集め始める。ワカメ、昆布、ヒジキっぽいものは多めに、それ以外のよく分からない海藻は少量だけ家に転移させる。
海藻を集め終わり、次に海上に飛んで大体二百キログラムぐらいの海水を浮かばる。最初は海水に干渉して水だけ取り除いていたけど、効率が悪かったから炎の魔法で水を蒸発させた。
数秒後には約七キロの塩だけ残った。
早く済んだから追加で海藻を少しとり、いい時間になったと思ったら真夜と別れた場所まで飛んで行く。
真夜のことで思い出した。そういえば作業に集中してて忘れてたけど、私の真夜に対しての好きって、本当に恋愛感情の好きなのかな?
結構前から真夜に対しての気持ちは変わってないと思うから、もっと早くそうかもしれないと気づいていたらすぐスマホで調べられたのに……
真夜と別れた砂浜に到着したけど、まだ真夜は来てないようだから座って海を眺めることにした。
真夜に対する気持ちをしっかりと理解するために、真夜のことを考えてみる。
優しくて、楽しくて、私を守ってくれて、可愛くて、さっきだって……
「っ?!」
カーッと顔が熱くなっていくのが分かる。さっき、で思い浮かんだシーンはスライムとトレントに粉をかけられた時だった。
一度そういう風に想像すると、普段の真夜を思い浮かぼうとしても、全然できない。
私の頭の中では、ドロっとしたもので服が所々溶けてる真夜が私を押し倒してディープキスをしようとしてるところだった。
そんなシーンはなかったはずなのに、スライムの時とトレントの時の出来事が混ざってる。
そして真夜の目は、私を離さない、逃さないとでも言うような目で、私を鋭く見下ろす。
そんな目で見られて私は怖がることもなく、逆に喜んでいる……
これが恋愛的な好き……?
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