7話
side:真夜
やっぱりお姉ちゃんは生きた動物を狩れなかったから、私は食料集め、お姉ちゃんは家作りと、役割を分担した。
私はお姉ちゃんと別れてからも、どんどん魔物を狩っていた。
魔物は出会う時に、こちらを警戒していないどころか、無防備に油断しているから狩りやすい。
こんな事を思いながら魔物を狩っていたら、私が残虐で無慈悲な心の持ち主にも見えるけど、勘違いしないでほしい。私もできればこんなことはしたくない。
でも、私はお姉ちゃんに『我慢して苦しむ』ことを出来るだけさせたくない。そのためには何だってする。
「あ、あの熊大きいなあ」
狩りと、狩った魔物を運ぶので何回も使い、もう慣れた風魔法を使って熊の首を刎ね、仕留める。次にその切断跡の血管から水魔法を使って血を抜き出す。
「今日はこの熊肉とうさぎ肉ぐらいがちょうど良いかな……後は保存用にもう少しだけ狩って帰ろう」
side:真昼
「でね!その後にその熊より大きい狼を狩ったんだよ!」
「多分その狼なら真夜が帰ってきたときに一番に目に入ってきた魔物だと思うよ?」
「私が一番じゃないの?」
「どういうことなの…」
最後の真夜が言ってることはよくわからなかったけど、私は木の葉っぱで作った仮ベットで寝転がりながら、真夜の狩りの話を聞いていた。
実際にその光景を見るのは精神的に無理だと思うけど、話を聞くだけなら真夜の功績を聞いてるだけなような感じがしてきて、私も嬉しくなる。
「そのままだよ!なんでお姉ちゃんは私より魔物に目を奪われるの!」
「なんで真夜は魔物と張り合ってるの…」
真夜の声がだんだんと荒げてくる。
「どんなに印象的なものがあっても、お姉ちゃんは私だけを見てればいいの!!」
「真夜?」
「なんで魔物に目が行ったかはわかるけど、嫌なものは嫌なの!!」
「どうしたの?何かおかしいよ?」
いや、おかしいのは真夜だけじゃない。私もだ。
真夜によく分からないこと言われて、どうしてこんなに嬉しくなるんだろう?
でも仲が良い姉妹だと独占欲を向けられるのは嬉しいのが普通か。いや、だったらなんでこんなにもドキドキするの?
「おかしくなんかっ…?!もう寝るね!おやすみ」
「お、おやすみ…」
なんだったんだろう?
……なんだか急に眠気が強まってきた。そのまま全身の力を抜き、眠り始める。
「魔法で記憶消去が使えてよかった……初日からこんな調子で、ずっと隠し続けられるかな?」
意識が途切れる寸前、真夜がそんなことを言った気がした。
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後書き
真夜と真昼はお互いがお互いのことを恋愛的に好きです。でも真夜はその気持ちを自覚していますが、真昼は姉妹愛だと思っています。
真夜は愛がぶっ飛んでるほど重いです。真昼もある意味ぶっ飛んでます。
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