ミステリを書いてみて②

 先回、ミステリの構造についての分からなさについては書いた。書いたというか、正確には良く分からないままに感想を書きなぐった。いまいちよく分からないまま書いたので読みにくかった場合については謝罪しておきます。ごめんなさい。で、そんな中でも二回目を書いたのはなぜか。


 分からんからです。

 

 先回はミステリ回の論理とか盛り上がりどころについて私的にも挑戦的すぎる指摘をさせて頂きつつ論を投擲したのだが、今回はちゃんとウィキペディアさんで調べました。ちゃんと度でいうと3くらい。23点満点で。


 ミステリという謎を追う小説群のサブジャンルにサスペンスという宙ぶらりんを長引かせるものがあり語源はサスペンドすなわち引き伸ばしであるとされているとあったのだ。横書きカクヨム記法で三行はギリ短文。

 

 いくらスーパーメイのバカ(≒分からず屋)の私であっても、なんか謎を提示しておいて秒で解決したら小説として面白くならないことくらいは分かっている。……いや正直、自信ない。典型的な『なろう系』とされる問題即解決がガチで即解決だと楽しみ方が分からない。世代間格差。ジェネギャ。略してジギャ。昭和通り越して万延系作家には分からない。


 少なくとも、呼び出された孤島で密室殺人が起きたらなんでってなる。


 孤島で密室つくる意味! という話型である。そう。話型。ミステリを書いてみてよくわからなくなったのが、この話型というものだったりする。もうやりつくされたからとか言いたくないが、でも現実にかなりやり尽くされていて、話型に困るのだ。


 たとえば、今回は学園ミステリという縛りがあったので、私は安易にも学園ミステリって舞台で視点人物が教師で探偵が学生でしかも安楽椅子タイプって見たことない気がする! と設定を決めていった。後にそれで苦労したが、そこは創作者的に愛おしい苦労だったので許す。が。書いてから、だから何やねんとなった。


 なんでかといえば、全然まったく新しさがないからです。


 これ創作の悲しいところで、キャラ配置は新しさに換算されんのである。正直いま適当を書いているので真に受けてはいかん。でも進める。じゃあなにが新しさに換算されるのかというと、新しいルールではないかと思った。書いてから。


 新しいルールというのは、要するに作品世界内だけで通じる、現実とかけ離れた法則です。それがあれば、なんとなく新しいものを読んだ気がするのだ。たぶん。異世界ものが何百回と擦られてもウケるのは実はそこに一端があるのではないか。

 

 いわゆる異世界大喜利は一発ネタと捉えられがちだが、一発ネタゆえに大ネタにまつわる新しいルールを求められていて、それが達成できているとウケルのでは。考えすぎだろうか。分からん。分からんが翻ってミステリに適用すると、


 学園という枠でいかに珍奇なルールを作れるかが勝負だったのでは!?

 

 しかも投稿規定は超能力禁止であるから、現実的に達成可能で了解可能性の高い意味の分からないルールを学ばなくてはならないミステリにすべきだったのでは。


 代表的には、意味の分からない校則である。


 今回、私は現実に引っ張られすぎて普通の中学校で起きた普通のミステリ(っぽい何か)を書いてしまったが、生徒手帳にも書かれていない謎の慣例を設定してそのルールをメインに話を書くことを求められていたのでは。


 たとえば、学内で人が死ぬんだけどその人はリボンを手にしていて暗黙のルールとして『姉妹ないし兄弟と定めた者にリボンを送る』みたいなのがあってでも死んでいたのは三年生で『リボンには実は細かな規定があって』みたいな、実生活ではなんの役にも立たない作品世界だけで通用する慣習ルールを学ぶところに近代ミステリの喜びがあるのでは。


 分からん。それを考え出すと、あらゆる作話系エンタメの根幹は実は新しい(無駄)ルールを学ぶところにあるのでは論になる気がする。直感的には正しいけどキャラもルールに含まれるのだろうか。


 分からん。なんか最初に書こうとしていたこととは別のこと書いてる。謎である。

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