第72話 セットボーナス
強化されたアクセサリーの性能を見て、ソラは目を丸めた。
アクセサリーたった一つで、約13レベルぶんのステータスが上昇するなど、破格の性能だ。
さすがはランクL――レジェンドクラスといったところか。
早速ソラはアクセサリーを装備。自分のステータスを確認する。
その上で、条件を満たせそうな武具を精錬する。
名前:天水 ソラ
Lv:60 ランク:B
SP:15 職業:
STR:120→178 VIT:120→90
AGI:134→192 MAG:0→88 SEN:105→117
アビリティ:【成長加速】【上級二刀流術】【弱点看破】【危機察知】【弱体攻撃】+
スキル:【完全ドロップ】【限界突破】【インベントリ】【隠密】【気配察知】【生命吸収】
装備(効果):ベガルタ、ライフブレイカー、獣皇の胸当て(火炎耐性)、亡者のローブ、蟻甲の小手、オークキングの戦闘靴(加速補正)、鬼神の腕輪(STR+88)、勾玉のネックレス(MAG+88)、鬼火のリング(AGI+88)、骸骨兵のイヤーカフ(SEN+42)
名称:ベガルタ ランク:LR
攻撃力:+140→160 精錬度:4→6
装備条件:AGI+120→140 ベガルタ
名称:完璧な水鉄砲 ランク:SR
攻撃力:+63→103 精錬度:1→6
装備条件:AGI60→110
「げっ、VITが下がった……」
今回入手したアクセサリーの中に、VITを底上げするものはなかった。
そのため、アクセサリーを付け替えたことでVIT値が下がってしまったのだ。
「しまった。これだと胸当てが装備出来ない!」
獣皇の胸当ての装備条件はVITが100である。
現在90なので10足りないため、装備出来なくなってしまった。
だからといって、VITが上がるアクセサリーを装備すると、今度はセットボーナスが外れてしまう。
しばし考えたソラは、渋々ステータスをVITに割り振った。
SP:15→0
VIT:90→105
「んー。まだVITがSTRに釣り合ってないな。これだと反発ダメージを受けそうだ」
上位アクセサリーがドロップした時、今回のようにステータスが足りなくなることがあるだろうと考えられる。
もし装備条件を下回っても、SPがあれば装備不可を回避出来る。
「いや、【生命吸収】があるから、VITを無理に上げなくても大丈夫なのか?」
【生命吸収】は、相手にダメージを与える度に、自身が一定量回復する。
これがあれば、自身の攻撃による反発ダメージもチャラに出来そうである。
「んー、まあ、しばらくはSPを振らないで保存しておくか」
今すぐ方針を決めなければならないほど、ステータス値は低くはない。
しばらく戦いながら、様子を見てSPを分配していくのが良いだろう。
「にしても、ずいぶんステータスが上がったな」
ベガルタを倒した直後で、ステータス合計値が414。現在が665だ。
その差251――50レベル分も上昇した計算になる。
その間、レベルも44から60に上がっているため、そのぶんを差し引きすると34レベルぶんである。
恐るべき上昇スピードだ。
今なら、当時のベガルタを相手にしても、容易に倒せるのでは? と思えてくる。
事実、現在のソラのステータスは、レベル133相当である。
以前に比べて格段に強くなっているのは間違いない。
Fランク以降はレベル15毎にランクが変わってきたが、この先もこのペースでランクアップするならば――レベル71からAランク。レベル86からSランクとなる――現在のソラのステータスは、Sランク以上だ。
「少し前まではFランクだったのにな」
まさかこれほど強くなるとは、想像もしていなかった。
だからといって、Sランク並に『強い』とは思ってはいけない。
何故ならダンジョンドロップを入手出来るのは、ソラだけではないからだ。
Sランク冒険者ともなれば、様々なダンジョン武具を蒐集しているはずだ。
中には、ハイレベルなダンジョンでドロップしたアクセサリーもあるだろう。
ソラはダンジョンアイテムを自由に精錬出来る、その精錬石だって、ソラだけが使えるアイテムではない。
日々、少しずつではあるがドロップしているアイテムだ。
お金さえあれば、手に入れられる。
そのお金を、Sランク冒険者は大量に保有している。
Sランクの素の状態と比べると、武具を身につけたソラの方がステータスが高い。
だが同じ条件で比較すると、まだまだSランクには及ばないだろう。
だから、勘違いしてはいけない。
ソラはまだ道半ばなのだ。
「もっと強くならないとな……」
だがそろそろ、力を隠す必要性は薄れてきたかもしれない。
ソラから大切なものを奪える冒険者など、もはや限られているからだ。
「もう、オープンにすべきか」
実力をオープンにすることで、得られるものが沢山ある。
たとえば、精錬だ。+6以降は光るため精錬してこなかったが、実力をオープンにすれば、光る武具を装備していても、変な目の付けられ方はするまい。
また、実力者限定のオークションや、冒険者協会主催のレイドなどもある。
そこでしか得られないアイテムがある。
そう考えると、実力を隠し続けることはデメリットになる。
「まあ、もう少し考えてみるか」
特段急ぐ必要はない。
ランクがAに上がってから、そこで公表しても遅くはないのだ。
装備のチェックが終わると、ソラはいつもの癖でアビリティのチェックを行っていた。
レベルやランクが上がったり、職業が変化する毎に、希に新しいアビリティが出現する。
アビリティが出現するタイミングはまちまちで、統一性がない。
なので、一日の終わりにはこうしてアビリティ一覧を確認することにしていた。
「おっ、なんだこれは?」
一覧を眺めていると、見覚えのないアビリティを二つ発見した。
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