第3話
「さてと、派手にやりますか」
「壊サナイ程度二シテクダサイ」
「大丈夫。こいつをぶった切るだけだ。まあ多少壊れてもどうせ壊すのだから関係ないよ。あの子を頼む。サリノさん」
「ハイ」
サリノは少女の元へと近づく。
不安な顔をする少女。
「大丈夫デス。真実空サンハ強イデス。デモ、|I don't like winding up.《巻き添えは嫌です》ナノデ結界張リマス」
そういいながら、サリノは両手をくっさろて床に向かって手のひらを向けるとブツブツとなにかを唱えはじめる。
日本語で英語でもないあまり聞き覚えのない言語だった。
「我が名サリノ=ミカエリスが命ずる。このものを守れ」
叫ぶと同時に金色のひかりがサリノと少女を包んだ。
「コレデイイデス。早クヤッテクダサイ」
「了解。わが名・
真実空が手を上へ伸ばすと同時に一本の巨大な刀が出現した。。刃の部分は長くて分厚く幅広い。両方ともに刃があり、切ることのできない棟の部分が見当たらない。柄のほうもそれにあわせるかのように長く、身長が170㎝ほどの真空空よりも長い大太刀だった。それを軽々と両手で持つ。
その間にカメレオンが真実空に向かって舌を伸ばしてくる。それをいかにも重そうな大太刀を握り締めたままで飛躍してさける。すぐに体制を立て直した真実空は大太刀を両手で握ると大きく後ろに振るう。そのままの態勢でカメレオンへと突っ込んでいく。
「一瞬で終わらせてやらああああああ」
カメレオンは目をギョロギョロさせながら、彼を見ると再び舌を伸ばしてきた。
「遅い」
舌はその大太刀によって切り裂かれ、血が噴き出した。
カメレオンは驚きの表情を浮かべる。
そのすきにカメレオンの前まで来た真実空は思いっきり、大太刀を振り下ろし、カメレオンを真っ二つに切りさいた。
カメレオンから噴き出す血で真実空の身体が真っ赤に染まる。
それなのに真実空の眼が楽しそうに笑っているのである。
やがて、カメレオンは砂となって消え去る。同時に真実空に付着していた血のりも何事もなかったかのように消え去った。
「よし。これで終わり」
その言葉が合図となったかのように大太刀が消え去った。
そして、サリノたちの元へと近づいてくる。
その時には先ほど張っていた結界は排除されている。
「もう大丈夫だぞ」
真実空はいまだに震えている少女の頭を撫でた。
少女はハッと真実空を見る。
真実空が笑顔を浮かべると、ようやくほっとしたような顔になった。
「もう出れるはずだから、君の仲間にも言っておいで」
少女はうなずくとそのまま消えていった。
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