第5話 予兆

ね。ここまで聞いて、もうすでに、コイツかなりャバイ奴って感じでしょ?


だけど、あたしにはそれが普通になってたから、むしろ隠す方が大変だった。


登校中に、いきなり、ツツジに向かって

「今日も綺麗だね」とか

猫に「おはよう」とか言う。


猫は「ニャア」って毎回返事するから、周りにいた人はビックリする。

「飼い猫?」なんて聞かれると、

「知り合いかな」なんて答える。


小学生の頃は、そんなもんで、まだまだ気楽だった。動物や植物の声が聞こえて、人間の色が見えるくらいだったから。


中学生になって、思春期になると、あたしの能力はさらに進化した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る