第41話 まさかの期間は三年限定!? 道化のKA・MI・SA・MAからの挑戦状! そのノリはもはや神話級!? 『そこンとこ、シクヨロでェ~~~~ス』
『確かに議論の余地はあります』
『一番! キサマ……キサマも八番に味方する気か! 忘れたのか! 人間がしでかしてきたことを!?』
『もちろん忘れてはいませんし、味方する気もありません』
『ならなぜ!』
『八番の言う通り、運命がかかっている。簡単に決めていいものではなかった』
『……満場一致が必要と言いたいわけか?』
『そうです』
『たわけたことを……評決不能になったらどうする? そしたらすべての【
「なら、証明すればいいんですね」
そう、ここが覚悟の時!
ここで決める!
「二度と
「フィル……お前」
「フィルくん……」
「……フィル」
もうさぁ。
ウィンが今にも泣きだしそうだったし。
ここで決意を見せないとダメだって思ったんだ。
『ふ、そんなことできるわけ――』
「それはどうでしょうか?」
〈プテ・サン・ウィン〉様が同調してくれた。
よし!
「この者たちはあの〈古き偉大なる獣〉をたおしました」
『なんと1?』
『なんだって!?』
【星獣】様たちがどよめく。
反応からして、とてつもない大変なことだったんだ。
だとしたらこれはチャンス――。
『HAHA! キミたち! すごい
ピエロのようなシルエットの方がうすら笑いをうかべて、近づいてくる。
なんだこいつ。
なんか、すごくムカムカしてくる。
『やめなさい。七番』
『ハイハーーーーイ、相変わらず一番チャンはヘッドがハードだ
そして【星獣】様たちのシルエットが僕らの周りにキレイに整列したんだ。
『なら、八番。私たちを説得してみてください』
「いいでしょう」
『ですが、期間は三年です。説得できなければ今度こそ、その娘はその場で処します。それでもいいですか?』
「な!? それはあんまりではっ!?」
言葉がでない。
そんな……三年?
短すぎる!
それにできなければ、即、死!?
『当然でしょう? それぐらいやっていただかなければ納得はいきません』
ぐ、たしかに。
ぐぅの根もでない。
「どうされますか、白き娘?」
「……アタシは……」
やってみるべきだと思う。
わずかながら可能性があるのなら。
だけど……。
もし失敗したら、十五年あった残りの命は、実質三年になる。
「フィル、アタシどうしたら……」
「ウィン、僕はどんな答えだって、君のキモチを尊重する」
「私もフィルくんと同じ意見。だけど――もし、三年かける道を選んで、説得でなかったら、私もいっしょに死ぬわ」
「そんなっ! リリー姉ぇ!」
「しゃあねぇ! リリーがそういうのなら、オレも一緒に死ぬわ」
「だめだよ! 二人とも! そんなっ! フィル! お願い! 二人を止めて!」
「ムリだよ。自分もそのつもりだから……」
止められない。
自分だってそれをさっき言おうとしていたんだ。
「でも簡単に死ぬ気なんてない! なにがなんでも君を救う! だから君のやりたいようにすればいい」
ほんとうは僕だって『絶対救うから! かけてみようよ!』って言いたいよ!
いや、違う。
白状すれば、自分といっしょに残りの時間を生きてほしいってキモチも少しある……。
だけど、これは多分、ウィン自身が決めなきゃいけないことなんだ。
「……わかった。アタシやる! やってみる!」
「ウィン……」
「だけど、ぜったいみんなを死なせないから!」
ウィンが涙をふいて立ち上がった。
まさに吹っ切れたって感じの顔。
「よくぞ言ってくれましたね。白き娘」
話は決まった。
これからは【星獣】たちの説得の旅。
『おろかな選択をしたな。娘よ。私は絶対意見を変えんぞ!』
「おろかかどうか、やってみなきゃわかりませんよ。三番?」
『ふ、ならば【永遠の霧】をこえて、私の下へ来るがいい! そしたら少しは考えてやる』
「【永遠の霧】って……たしか……」
それははるか遠くはなれた海域にあり。
そして消えることのない、見通しが利かないほど立ちこめた霧。
時に船をまどわせ、時にしずませて、
『
またしても七番様が割りこんでくる。
ぅ……ん。
ダメだ。
ちょっとこの人のノリついていけない。
『ちゃんボクを見つけられたら教えてあげる
ちょっと何言ってるかよくわからないんだけど。
「ダメだ、フィル、オレ、この人のノリに付いて行けねぇ」
「僕だってついていけないよ」
なんというか、なぜかわからないけど。
ちょっと古い感じがするんだよね。
『んン~~~~~キミたちノリ悪い
「「えっ!?」」
こ、このひと……
さっきと空気が変わった。
口は軽いのに、本気でやめられそうな勢いがある。
「「やります!!」」
「ノーーン! ノンノン! ノーン! やり方がガウチー! 逆立ちしながら、そのままサキツマつけて! もっとアクロバティックに! スタイリッシュにしないとだめだ
マジか……。
「フィル……」
「レヴィン……」
不安そうな二人の目。
ここは――。
「どうする!? フィル!?」
「やるしかないだろ!? アニキ!」
僕たちはやったよ!
全てはウィンのために!
手をついて!
「「やります! やらせてください!」」
そりゃぁ! 深々と頭を下げたよ!
それこそ地面に顔をうめるくらいね!
したら――。
「HAHAHA! 見た
ヤロー……。
クソォォォォォォォ!!
やられたっ!!
ウィンとリリー姉さんがくちびるをモゴモゴと必死にガマンしているのが見える。
とにかくだ!
『オッケーッ!! オッケーッ!! そのココロイキいい
「……ようはかくれんぼってことですよね?」
『ハイ! カクレンボ! シーオツ
ぐっ……。
さっきからこの人少しずつ空気が変わってきている。
なんだか、おそろしい気配。
「てめぇ! さっきからふざけやがって!」
『フザケテなんかいなーい
七番様が指をつきおろいた瞬間――。
「ぐっ! はっ!」
「な、なんだ! 急に体が!?」
いきなり体が何十倍にも重く!
な、なんだこれ!?
地面におさえつけられて!
み、身動きが取れない!?
『なぜなら、ちゃんボクはみんなの人気者、神、ゴット、道化の
さげすむような、まなざしを感じる。
『遊びにマジになれないやつに生きる資格は
この人、本質的に自分達を認めてない!
今それがはっきりとわかった。
『そこンとこ、シクヨロでェ~~~~ス』
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次回! 「『ゼロ』から始める逆転劇! いざ摩天楼へ!」
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