第12話 さぁ! リリーお姉さんと『いっしょ』に学んでみませんか?
そしてその夜。
僕はリリーさんからあることを教わりはじめたんだ。
「そう、そうよ! その調子……んふ……いい感じよ………そうそう、すごい……フィルくん、ほんとうにハジメテ?」
は? なにやってるのかって?
いや、だからリリーさんから【弾丸精製】っていう精霊術をを教わっているんだって。
誤解? なんのこと?
「そう、火の精霊を閉じこめて出来上がり、うん、なかなか筋がいいよ」
「ほんとですか! ありがとうございます!」
「クーン! クーン!」
「あら? フィルなら当然だって? そうね、ふふ」
「リリー姉、キキが何言ってるのかわかるの!?」
「なんとなくね。精霊との会話と似た感じかしら? でも、この子と長く付き合っているフィルくんほどじゃないわよ?」
「なんか、二人だけずる~い」
「あはは……でもこれが、あの爆発の正体だったなんてね」
うん、そう。
レヴィンが〈ペヨーテ・テンタクル〉の口にぶちこんだアレだよ。
よし! これで! 戦力アップだ!
エリオットの強さはくさっても本物。
それをしりぞけた〈グリードウォーム〉っていうのはかなり手ごわいはず。
準備しすぎるってことはない。
もちろん、みんなの拍車にも【刻印】をいれたよ。
え? あの〈
あぁ~やってみたんだけどさ。
カタイのなんのって、
でも初期値がとんでもなかったんだ!
<
【攻撃補正】――Lv1 319(+79)
【命中補正】――Lv1 279(+69)
【重量】――Lv1 49oz
【会心補正】――Lv1 2.4(+0.6)
【装填数】―― Lv1 6
【魔力補正】――Lv1 49(+12)
【追加効果】――????
【追加効果】――????
【追加効果】――????
【追加効果】――
<
【攻撃補正】――Lv1 159(+39)×2
【命中補正】――Lv1 340(+84)×2
【重量】――Lv1 19oz,25oz
【会心補正】――Lv1 2.3(+0.6)×2
【装填数】―― Lv1 6×2
【魔力補正】――Lv1 53(+13)
【追加効果】――????
【追加効果】――????
【追加効果】――????
【追加効果】――
なんと今まで使っていた銃より初期値が2倍以上のスペックがあったんだ。
だから
でもこの【魔力補正】って何なんだろう?
それに【追加効果:????】ってところを見ようとすると、【
イタタタ――。
「んじゃ、アタシが試してあげる!」
と、ウィンが数マイル先の的に照準を合わせた。
「ウィン! ちょっとまって! なんか光って――」
BANG!!
KABOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!!
「げっ!?」
「はぁ!?」
「えぇ!?」
うわぁ……小さいきのこ雲が上がっている――じゃない! 待って待って待って!
「まずいまずい! 燃え広がっちゃう!」
「うわ! すげぇ! 火柱が上がってんじゃねぇか!」
「レヴィン兄いのバカ! ぼーっと見てないで消すの手伝ってよ!」
『彼は種をまきし者! その笛は芽ぶきの風を呼び! 清き雨はすべてを祝福する!
リリーさんがとっさに大雨を降らせてくれたおかげで、なんとか火を消すことに成功。
あぶなかったぁ……。
でもすごかった。
う~ん、でもただちょっと使いようかな。
「まさか、これに精霊の力を増大させる力があるなんて」
「ほんと、おどろいたよ。前とはくらべものにならな――いっ!」
あ、あああ雨で、ふ、服がすけて――!!
「なに? 上着? 寒くないよ別に? それに顔を真っ赤」
「か、かくして! そ、その前が! そのす、すけて……」
「はぁ? すけてって――あ……」
ようやく気付いてくれた。
でも、この後はお約束のグーパンがくるはず――。
「……フィル」
「は、はい!」
「ありがとう……」
あれ? こ、来ない?
それどころか顔を真っ赤にして母屋の方に走っていく。
いったいどうしたんだ。ウィン……。
――トパゾタウン アンドラマウンテン――
さあ! 次は実戦!
約1週間かけて、僕は【弾丸精製】を習得した。
今日は〈アンドラマウンテン〉に足をのばしたんだ。
〈グリードウォーム〉と戦うのは、今日の実戦しだいってところ……だったんだけど。
「オラっ! フィル! ウィン! ザコはオレたちにまかせていけ!」
「「でも!」」
「だいじょうぶ! すぐに追いかける。あなたたちは今のうちに早く!」
「なに言ってんの! 50はいるよ! こんな数の〈コランダム・リザード〉を二人だけじゃ!」
「心配しないで、ヌー族はウソつかないのよ。必ず追いかける!
「えっ!? に、人形!? それにすごく大きくなって――」
BAGAN! BOGON! ZDOOH! DOBAA! BAKIII――!
「あれはリリー姉ぇの
「……わかった」
心苦しいけど足止めをアニキたちにまかせ、ウィンといっしょに山頂までかけ上がる。
「二人ともだいじょうぶかな?」
「安心して、いざとなったら二人には切り札があるから心配しないで」
え? 切り札って?
「来るよ! フィル!」
考えるのは後!
GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAH!!
「デ、デカイ……」
そう、今回の
「デカイっていってもしょせん鳥でしょ! 行くよ!」
BASA!!
「うわ! な、なに!? は、羽!?」
「ウィン! あぶない!」
GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOH!!
頭すれすれを〈ポン・スー〉は飛んでいった。
あっぶねぇ……。
「あ、ありがとう、助かった。にしても、やるね。目くらましからの急降下なんてね!」
「むしろ好都合かも。ねぇウィン」
「なに?」
「ここは自分がひきつけるから、ウィンは急降下直後をねらって」
「ば、バカ! そんなの危険すぎる!」
「クィーン! クイーン!」
「だいじょうぶ! タイミングは〈キキ〉が教えてくれるって」
ウィンの返事を待たずに〈ポン・ズー〉へ向けて、連射――。
BUMMM! BUMMM! KABOOOOOOON!
火の精霊を宿した〈
GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAH!
「そうだ! 空に逃げ場はないぞ! こっちに来い!」
「ワンワン!」
〈キキ〉の合図と同時に地面を転がった! でも――。
「フィル! あぶない!」
ツメが肩をかすめる!
「ぐっ!」
あぶなかったぁ……幸いかすり傷。
もう少しおくれていたら、腕ごともってかれていた。
でも今のでタイミングはバッチリつかんだ。次こそは!
「フィル! やめて! 無理しないで!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次回! 「今こそ! 僕は『誰か』の為に何かしたいんだ!」
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