第2話

 彼女は、いつも左手を狙う。左手で左手を繋ごうとするので、ちょっと見た目が絡まったみたいな感じになる。彼女は右側。自分は左側。

 右手のない自分には、唯一使える左手を封じられてちょっと難儀だった。そんな彼女も、もう右側にはいない。

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