自分は何処にいるのか

太田エイ

自分は何処にいるのか

 若い頃には誰しも自分は何処にいるのかなんて哲学っぽいことを考えるものだ。私は今でも考える。自分が身体の何処にいるのか。例えば足の先に自分はいるか? 身体の一部とはいえいない気がする。心臓? 脳? 脳全体というのもイメージしづらい。

 いろいろ考えて、だいたい網膜と視神経の接点あたりというのが、若い頃と今の共通の認識である。

 その日も気分転換に自分は身体の何処にいるかを考えていた。自分の中心、精神と肉体を繋ぎ止めている一点はここだと再確認するのだ。

 やっぱり目玉の後ろだなあ、メガネを上げて目をクニクニ擦ってみる。メガネを机に置いて……、うわっ、ここは何処? 机の上だ。いつの間にか、私の中心がメガネになっていたのだ。

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自分は何処にいるのか 太田エイ @_akirana

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