第21話 ベルウェザー
――先導者
多くの人々を導き、守ってきた者へ与えられる職業。
高いレベルの魔法マスタリーとサブスキルとして支援マスタリーを持ち、隊商や大人数で移動や作業をするための指示を、的確に行えるスキルも習得している。
※ユニークスキル「繁栄の重責」
導くべき人数が多いほど支援マスタリーにボーナスが付く。
「……」
領主館で職業を調べると、そんなことが書いてあった。なるほど確かに今必要な職業ではあるな。そう思いながら俺は自分のスキルを確認する。
魔法マスタリーLv9
属性マスタリーLv8
支援マスタリーLv3 +1
耐性貫通Lv5
観測Lv★
ラウドボイスLv★
コンセントレーションが消えたことは仕方ないとして、増えた観測スキルとラウドボイスについては確認しておく必要がある。
観測スキルはそのまま、索敵や方角などの観測で、危機に気付きやすくなるスキルだ。ちなみに★と表示されているものはレベルの概念がなく、取得時点から強化される事は無い。
ラウドボイスはその名の通り、声がよく通るようになるものだ。普通は商人など、呼び込みで使う能力だが、何か指示をする時にも使えると楽だろう。
「ニール、職業の記載……あった?」
スキルの確認が終わり、職業百科を本棚に戻すと、モニカがひょっこりと顔を出した。
「ああ、あったよ。これから先、役に立ちそうな能力だ」
「そう……モニカは、コンセ覚えてた」
モニカもあの後、神託を受けていた。これから先は毎月一回、信託の儀式を行う手はずになっている。全員が一丸となって開拓を進めていくためだ。
「良かったな、範囲魔法とコンセは相性がいい。これからも役に立ってくれよ」
ちなみに、モニカの職業は未だに魔法使いのままで、ユニークスキルは「魔力回復〇」だ。霊薬や睡眠による魔力の回復にボーナスが付く為、燃費の激しい彼女にはありがたいものとなっている。
そして、気になるパッシブスキルはというと、こんな感じだ。
魔法マスタリーLv9
属性マスタリーLv6
コンセントレーションLv3
広域化Lv★
魔力ブースターLv★
属性マスタリーは回復と聖属性魔法が無いので少し劣るが、コンセントレーションLv3と広域化、そして魔力ブースターがあまりにも強力だ。
広域化は対象を任意の大きさまで拡大することができ、魔力ブースターは魔力消費を一・五倍、魔法の威力を二倍にするスキルだ。
「まさか二人ともLv★スキルが付くとはな」
「えへへ、おそろい、だね……?」
「いや、そういうわけではなくてだな……」
「むぅ……」
Lv★のスキルはそんなにありふれたものではない。ある意味個人の特徴みたいなものを、あえてスキルとして表示することは、それほどまでにその能力が優れているという事だからだ。
「ま、いいさ、お互いやることがはっきりしてきたみたいだしな」
俺はモニカの頭を撫でる。彼女はまた恥ずかしそうに笑って、俺たちは村に戻ることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます