暗闇のピアニスト

アキラヒカル

第1話 プロローグ

 

今でもクラシックが無くならないのは完成して無いからだ。


 主人公の名前は小林こばやしあゆむ

生まれつき目が見えない、家族はみんな不幸ふこうと思ったが、本人はそれが当たり前だから気にする事も無かった。

母親の名前は小林こばやし 麻央まお

父親の名前は小林こばやし げん

ごくごく普通の家庭で裕福ゆうふくでも無く、平均的へいきんてき収入しゅうにゅう

生まれつき目が見えないため、普通の学校には行けない

もう学校に行く事になる。


 母親は目が見えなくても耳は聞こえるのをたよりに

あらゆる音が出るオモチャで遊ばせていた。

母親の趣味しゅみはクラシックを聞く事だった

昔ピアノをならっていたことから、今でも聞いていた。


 そんなある日、あゆむが目も見えないのにオモチャのピアノで

母親の歌に合わせて小さな鍵盤けんばんたたいた

両手りょうてでリズムに乗って、笑いながら

それを見て母親はこの子には才能さいのうがあると確信かくしんした。

とにかくいやにならないようにすべてを音楽にそそいだ。


 この子の明るい未来が見えて来た

母親は同じ境遇きょうぐうの人を探し、そして合わせる事にした。


 合わせた事で母親の見た未来が思うよりも、甘かったと教えられた・・・

あゆむの前では決して泣くまいとこえないところで泣いていた。


 なぜならピアノの世界せかいはほとんどが裕福ゆうふくでピアニストと世界で活躍かつやく出来るのは、ほんのひとにぎ

さらに目が見えない人はいまだに世界的有名なピアニストはないと

はっきり言われたからだ。


 目が見えないため、母親はいつもきっきりで

それと家庭の事もやらないといけない

本格的ほんかくてきにピアニストを目指めざすのはお金と本人の努力どりょく必須ひっすと言う。


「うちにはお金の余裕よゆうも無い、それにくわえていつも付きっきり

でもこの子の好きに生きて欲しい、私がここであきらめるのは

まだ出来ません、なんとかこの子にピアノを教えて頂けませんか?」


 その人も盲目もうもくでピアニストだったので、母親の熱意ねつい

何とか手伝ってあげればと思ってくれたのか


「わかりました」

 と言ってくれた。


 あゆむはこの時まだ小学一年生だったが、性格せいかくやさしく

素直すなおで良い子で、そんな私に小さいながら手をギュッとにぎって


「お母さん、僕ピアノをがんばって、お母さんに笑って欲しい」


 と言ってくれたのを聞いて、抱きしめた

私がここまでこの子に確信かくしんを持てたのは

まだ二歳なのに、同じ曲でもピアニストがちがうだけで

あばれた事があった、お気に入りのピアニストの曲をかせると

大人しくなって笑ったのを見た時

この子には少しの音の違いにも気がつくのを知った

絶対音感ぜったいおんかんを持っていた。


 目が見えなくても大丈夫、あゆむにはピアノがあるからと思ったからだ

これからがスタート。


 母親の私が自分の子供を信じてあげられなくて

誰が信じてあげられるのと思ったのは当たり前だよね。


「歩はピアノが大好きだもんね、一緒に頑張がんばろう」


 歩は手をギュッとにぎって目が見えなくても私を見て大きくうなずいた


「では、来週らいしゅうから来てもらえますか?」


 と言ってくれた先生に感謝かんしゃの気持ちを込めて


「よろしくお願いします」


 と頭を下げてお願いして、あゆむに本格的にピアノを教えてもらえる

恩人おんじんに出会ったその時、人との巡り合わせで

こんなにも感謝かんしゃした事は無かった。


 これから歩のピアニストの道が始まると思って、覚悟かくごを決めた。

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