巫女のナイトは三種の神器
かなたろー
未神楽ミコ。わたし十一歳になったよ。
第1話 誕生日にナイトに助けてもらったよ。
わたしはパワースポットをしんじない。
しんじないったら、しんじない。
なぜって?
それはわたしの家が、神社だから。恋愛のご
そしてわたしはその神社のひとりムスメなのに、ぜーんぜんモテない。
わたしのなまえは、
東京の
今日、一月七日、十一歳になったばかりの小学五年生。
冬休みは、おうちのおてつだいをがんばった。
カワイイ巫女さんの服を着て、パワースポットのどまんなかでがんばった。
でも、冬休みはなーんも、いいことおきなかった。
(おこづかいはたくさんもらえたけど)
告白なんてトーゼンされない。
(だって、ずっとおうちでバイトだし)
おかしいなぁ、わたし、わりとカワイイと思うんだけどなあ。
なのにモテない。ガックリ。
だから、パワースポットのご
わりとカワイイ女の子が、パワースポットのどまんなかで、イケメンの彼氏がほしいって、毎日毎日おねがいをしているんだよ? 今月の山羊座は、恋愛運サイコーなんだよ??
なのにちっともご
だからわたしは、パワースポットをしんじない。うちの神社のご
しんじていないのに、わたしはこのご
わたし、なんて不幸なんだろう……。
でもね。今日はね、いちおう誕生日なんだ。
でね、
だからね、夕ごはんを食べて、お風呂にはいって、カワイイピンクのもふもふのパジャマを着て、テレビもみないで自分の部屋にはいって、冬休みの宿題をしているフリをしていた。(冬休みの宿題は、もうぜんぶ終わってるよ♪)
そんなわけで、いまはあったかいちゃんちゃんこを着て、こっそりと部屋ぬけだして、そとに出ている。
神様に、おねがいをするんだ。
「イケメンな彼氏ができますようにって!」
さすがにこれは、ご
だって誕生日だよ!
年に一回だよ!
しかも時間がきまっているんだよ!
これはキタイできるよね!
うん♪
わたしの家、つまり
小学校のグラウンドの、はんぶんくらいかな?
でも、神社は夜はとっても暗い。照明はあるけどおっきな木もたくさんあるし、うす暗い。
わたしは、うす暗い
ちゃんと
こういうのってマナーが大事なんだよ。神様ってちゃんといつも、みまもってくださっているんだよ。
だからね、ちゃんとしっかり、
今は一月だし、夜だし、すっごく寒いけど、神様って、ちゃんといつも、みまもってくださっているから、ちゃんと
わたしは、
「つめたい!」
おもわず声がでた。でもガマンだ。なんだか背中がゾクゾクするけどガマンだ。
だって神様がみているから。
「バカ! なにやってるんだ!」
!? バカ? バカっってなによ! 神様がみてるんだよ?
……………………ぺろりん。
ゾクゾクした。さっきから、ずっとゾクゾクしている背中の
めのまえに、オバケがいた。
「あぶない!
さけんだのは、わたしのことを「バカ!」ていった男の子だ。動きやすそうな服を着ていた。サッカーとかとくいそう。
でも……ちょっと何言ってるかわからない。『そん』ってなに?
そんなこと考えてたら、
ものすごいつむじ風だった。つむじ風は、男の子がもっている
なんだろう? あおみどり色のふるい剣? 男の子が剣をふったら、つむじ風がとびだしたんだ。
「よっし! ミコからはなれたな! これでおもいっきりやれる」
男の子は、ズボンのポケットからサイコロをとりだした。
かわったカタチをしたサイコロだった。
男の子がサイコロを「ポイッ」となげると、サイコロはてんてんと転がった。
「よっし! ビンゴ!
男の子は、よくわからないことを言ってよろこんだ。
つむじ風をだした、あおみどり色の剣は、こんどは炎をまとった。
「
男の子は、なんだか呪文みたいな、必殺技みたいなことをさけんで、あおみどり色の剣を、おもいっきりふりかぶってジャンプした。
え?
しんじられないくらい、すっごく高くジャンプした。
そして、つむじ風にあおられた
「楽勝! 楽勝!!
男の子は、まんぞくそうにゲームの勝利コメントみたいにつぶやくと、てんてんと
(さいしょのつむじ風のときも、サイコロを転がしたのかな?)
二個のサイコロをひろった男の子は、「ついで」といったかんじで、わたしに手をさしだした。
「大丈夫か? ケガ、ないか?」
トクン。
わたしは、いわれるままに手をだした。
男の子は「ひょい」ってわたしを起こしてくれた。スゴイちからもち。
あとね……。
ちかくで見ると、すっごいイケメンだった。背の高さはわたしよりちょっとだけ低かったけど、すっごいイケメンだった。いかにもスポーツ万能ってかんじ、ゼッタイに足が速そうだった。
「……ありがと」
わたしは、お礼をいった、イケメンだからちょっとはずかしかったけど、心からのお礼をいった。
そしたら、そしたらだよ!!
「オマエはバカか! 自分の立場がわかってるのか!?」
またバカっていわれた! わたしよりちょっとだけ背が低いイケメンに、バカっていわれた!!
「オレは、
へぇ、そうなんだ。イケメンくん、
ナイト?
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