第92話(レビュー時点の最新話)まで読んでのレビューです。
電車の車両ごと……乗客全員が異世界転移してしまいます。
主人公の冴えない中年男、ヒロインのいじめられっ子少女も転移した乗客の一員です。
異世界からの勇者として、とある国に迎えられる面々。
召喚された電車の乗客たちは『異世界から来た者には強力な精霊の加護がつく』ということで、どんな加護を得ているか調べられることに。
召喚された乗客たちに、光や火、水など強い加護があると分かっていく中、主人公だけは何故か精霊の加護を得ることが出来なかったようで……
冒頭から詰んでしまったかも?な主人公ですが、もちろんただただ最弱なわけではありません!
冒頭のピンチは、早い段階で主人公に懐いてくれるヒロインの力と、自身の知恵とで辛くも脱します。そして話が進み、冒険を続ける中で、加護なしで何の力もないと思われていた主人公に、隠された才能があることが明らかになっていきます!
戦闘や戦略が必要な場面が沢山あって、ワクワク、ドキドキしながら読めました!
最新話近くでは、この異世界に渦巻く陰謀も形も見えてきて、今後どうなっていくのか気になるところです☆
乗り合わせた電車で気付いたいじめられ少女と、気にしつつも離婚直後で
みじめな自分を顧みて何も言えないオッサン… この始まりはいい感じ。
続く転移後の展開は、召喚者(姫だの王様だの)がクズという、最近のテンプレ。
優遇される他のキャラクターらは、今の所最低人間と言い切れるほどではない
ものの、逆に存在感は薄い。
不運な二人を襲うメイド暗殺者のくだりは、唐突でちょっと納得しがたい。
さらに、危機に際しチートっぽい少女の能力におんぶに抱っこの展開が続き
正直イラつく。小狡さというか、したたかで油断の無い人生の経験値というか、
「オッサン」ならではの少年少女とは違う切り抜け方とでも言うべきものが
ほぼないので、これなら同年代での弾かれ者同士のボーイ・ミーツ・ガールの
方が無理がないのではと思った。
薄幸だった少女がオッサンにデレる経過も、そこまで説得力があるとは言えず、
手助けするバカっぽい外国反抗(?)勢力との協調も、首を傾げてしまう。
もう少し大人ならではの考え方なり、とっさの対応なりが、あって欲しい。
が、きっとこれから、中年に差し掛かった失意の男と娘のような少女の、
この作品ならではの冒険が待っていると、あらためて続きに期待したい。