第6話 えっ、授業参観にあいちゃん!?
片言であいちゃんが喋ったっていうか俺のことをにーにーって言った?翌日、卒業間近の琴乃家に大衝撃の一報が入った。
昭仁「お電話ありがとうございます。琴乃開発でございます」
担任「もしもし、琴乃さんのお電話でよろしいでしょうか」
昭仁「はい、琴乃です」
担任「私天川第一中学校3年2組の担任をしております大川と申します」
昭仁「これはこれは。お世話になっております」
担任「突然お電話してしまい申し訳ございません。本日授業参観がありまして、それでぜひ琴乃さんにもご来校いただきたく存じまして」
昭仁「匠なんかやらかしてないですよね?」
担任「匠くんは何もやらかしてないですよ。むしろ愛央さんがアシストしているからか、元気に過ごしております」
昭仁「それは良かったです。本日いつからでしょうか?」
担任「5限の公開をしようと思っているので13時30分までにお越しくださいませ」
昭仁「わかりました。失礼いたします」
電話を切った俺の父親はそのまま俺の部屋に来た。俺は当然寝起きの状態。
昭仁「匠、起きてる?」
たく「起きてる。あじした」
昭仁「授業参観あるんだって?」
たく「あっけどそれが?」
あい「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
たく「あちょっとごめん」
あい「ひっく、ひっく」
たく「よしよし、飲んでな」
あい「きゅぴ・・・」
昭仁「あいちゃん、行く?」
あい「きゅぴ?」
昭仁「にーにーたちの授業参観」
あい「あい!いく!」
たく「来たい?にーにーたちすっごい静かだよ?」
あい「ねーねーぎゅーきゅぴ!」
たく「あーだっこね」
あい「あい!」
たく「じゃあおいで」
だが俺は頭の中がハテナになっていた。あいちゃん来るのはいいんだけど、俺らのところに来ないよなって。
それから数時間経過した。ちょうど昼ごはんを食べ終えて、愛央と教室に戻るところだった。朝担任の先生が言ってたように今日の5限は授業参観。各家庭の保護者様もいらっしゃる。で、うちは社長と赤ちゃんだから、参ったもんよね。そして教室に着いた俺が寝ようとした瞬間、愛央が引き止めた。
あお「たっくん!下行こっ!」
たく「ねみーんだわ、寝かせてくれ」
昭仁「匠ー、愛央ー」
たく「父ちゃん!?あいちゃん!?え!?ガチできたの!?」
あお「あいちゃーん!会いたかったよ〜!」
あい「たぁ!(´。>ω<)ぎゅー♡」
たく「ほんとに来たんだ、へぇ。あるんだね、うん」
担任「あら、お早いご到着ですね」
昭仁「こんにちは。息子と娘がお世話になっております。今日は我が家の赤ちゃんも連れてきましたので何卒」
たく「は?マジなにしてくれとんの」
昭仁「いいじゃんたまには」
たく「おいおい、愛央の取ったらおいねぇべさ」
あお「パパったらぁ。もぅ。あいちゃんは・・・おねんねしてるのね」
たく「多分さっき起きてたしちょっと寝てるだけだべ。もうそろ起きるでしょ」
あい「ふわあああああ」
あお「起きたっぽい。あいちゃん、いっしょに受ける?」
あい「きゅぴ?あい!」
そしてその勢いで5時間目が始まった。実を言うとこのためだけに愛央をうちのクラスに仕込ませてもらったのだ。そうすることで、あいちゃんが安心して授業を受けられるようにするという策である。まさかの事態に備え校長先生に俺が土下座で頼んでみたんだけどほんとこれやっといて正解。
授業中はあいちゃんもおとなしくしてたけど・・・俺らの方を見てはてなになってた。そらわかんねぇわなぁ?
あい「?」
たく「あと少しで終わるからね。そしたら遊ぼっか」
あいちゃん凄くて、静かにしていなきゃいけないとき静かにしている。こんなのどこでおぼえたんでしょうか。って思ってたら授業が終わったので、その瞬間にあいちゃんの顔を見ると涙目になっている。これは泣くと思い愛央とふたりでダッシュ。多目的室であいちゃんのミルクをあげた。
あお「あいちゃん!ミルクだよ!」
あい「きゅぴ・・・?あい!きゅぱきゅぱきゅぱきゅぱ・・・ごっくん!」
たく「美味しかった?」
あい「あい!」
たく「よし戻ろっか」
あお「危なかった〜」
たく「あと5分遅けりゃ泣いてたな」
そしてそのまま授業参観が終わった。この後懇談会があるらしいが、俺らはあいちゃんと遊び尽くすために帰る。もちろん俺の親父もだ。
昭仁「すごかったなぁ。あんたらめちゃくちゃ発表したじゃん」
あお「パパがいるから・・・愛央恥ずかしいよ〜」
あい「あい!あい!」
たく「ん?どうしたの?」
あい「ねーねーぎゅーきゅぴ!」
あお「えっ!かわいい〜!(´。>ω<)ぎゅー♡」
んだこの姉妹って思いながら10分で家についたので着替えて洗濯機を使い始めた。愛央はいつもなら黒のプリーツスカートとベージュのブラウスを着るんだけど、今日はピンクのニットに白のチュールスカートとしたらしい。寒いからか。
あお「たっくん!ご飯食べに行くから着替えて!」
たく「え、は?今日飯?」
あお「うん!」
あい「きゅぴ〜!あい!あい!」
たく「あいちゃんも行きたい?」
あい「あい!」
結局5人で夕食を食べに行き、気づけば俺らは寝ていたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます