10(9)  演劇



大学に入り、お互い疎遠になる中で、穂波が主体となって当時のクラス担任の先生と演劇を見にいくイベントを企画してくれた。

僕はクラスで集まるのも、先生に会うのも、もちろん穂波に会うのも楽しみにしていた。


しかし当日着いてみると演劇の時間を勘違いして先生には会えないかもしれないとのこと、僕はついかっとなって彼女を怒鳴ってしまった。


彼女の周りの人が必要以上に彼女に優しかったせいもあるかもしれない。

とにかく、きつい口調で責め立ててしまった。


あとになって謝罪の連絡をしようとしたが、一向に返事が返ってこなかったので色々試すと、どうやらブロックされたらしかった。


まあ気持ちはわかる。でも、これで穂波ともう会うことはないだろう、そう思った。


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