夕立

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ


遠ざかっていく街の景色に

小さな背中を思い浮かべた

昨夜気まずく別れた君は

今頃どうしているのだろう

雨風を走る車のサイドシート

憂鬱だけがはびこっている

二人のこの気持ちが

たとえ本物じゃないとしても

訪れるその時までは

この愛を信じていたいけど

夕べの君の涙声に

答えは何も浮かばなかった

ずっと君のそばにいれるか

ずっと君を守っていけるか

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

雨粒でにじむ信号機の色に

震える背中を思い浮かべた

傘を持っていなかったら

怒りなんてもう消えている

いつもつい言いそびれるよ

本当は君に首ったけだって

二人のこのきずなが

たとえ脆いものだとしても

君といられる間だけは

この愛を信じていたいんだ

君の面影に涙がこぼれる

答えは今さらはっきりした

ずっと君のそばにいたい

ずっと君を守っていきたい

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

二人待ち合わせたあの場所に

君は来てくれていたんだ

傘はさしていたけれど

今にも頬が濡れそうだった

ポケットの中の指環より

大切なものを忘れていたよ

二人のこの気持ちが

たとえ本物じゃないとしても

いつか必ずこの僕が

真実だって証明するから

土砂降りになった雨の中

君を両手で抱き寄せた

ずっと僕がそばにいるから

ずっと君を守っていくから

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