センチメンタル
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「帰る時間が来たみたい」
楽しかった今日一日と
電車に乗り込む後ろ姿を
必死に心に焼き付けながら
鳴りだす発車のメロディーは
センチメンタルでもないのに
名残惜しさを募らせて
ときどき声に出そうになる
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「家に着いたら電話する」
最後に君がこぼした台詞
一秒遅れて返した言葉は
風に煽られ落ちてしまった
プラットホームの雑踏の中
せめてこの想いだけでも
真っ白な息に運ばれて
君のもとへ届けばいいのに
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「いつまでも大好きだよ」
遠く離れた君の街にも
今夜雪が積もったなら
たとえ受話器越しにでも
同じ景色が見られる気がして
君の香りが残るジャケット
今も変わらぬ気持ちのまま
夜にまぎれて帰りを急ぐ
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