時事ネタ考察
@hirousathome
第1話 14歳の性交渉の話
元の記事は
「14歳と同意性交、捕まるのはおかしい」立憲議員発言
というニュース。
現在の刑法では13歳未満との同意性交が禁止されており、その年齢を引き上げるかどうかという議論をするワーキンググループでの発言とのこと。
ワーキンググループでの検討材料なので、異論が出てくることそのものは望ましいことなのではと思うが、世間は一様に発言者を叩きに走っている。
ことが性的な問題になると、気持ち悪いというような感覚で意見が左右されがちで、それはそれで判断基準としてはアリだが(過半数が黒と言えば白いものでも黒く扱えるのが民主主義の利点だ。)、感覚は人と時代によって変わっていくので、大真面目にこの制限が社会にどういう利をもたらしているのかを考えてみたい。
まず、ケースとして、当事者の片方の同意のない性交のケースは除く。それは単なるレイプであり、誰だって同意のない性交渉は望まないので、それが発生しないように制限するのはみんなにとって価値がある。
なのでここで考えるのは同意性交のケースとなるが、そもそもまずは同意の有効性について議論しているケースを多く見かけた。
世間知らずの子供の同意は、判断として間違っている可能性が高いため、同意は同意とみなされないという解釈。
あらゆる意思決定に言えることだが、正直、年齢という個人差の大きいものでざっくりと意思決定可能不可能を論じるのは結構難しい。したがって、本来ならリスク判断がきちんと行われているかどうか、知能テスト的なテストを行って診断するべき事柄だ。だが、一方で、何をリスクとしてとらえるかは、まさに「人による」ので、そんなテストを作ることは、イコールでそのリスクを定義することになるため思想統一を無理やり図っているような形になる。
他の法律から見ると、お酒、たばこ、選挙など、20歳という区切りをもって、社会を構成する1個人の判断として信頼に足るとしているので、それに倣えば、すべての同意事項に関しては20歳までは信用できないということになる。それはそれでいろいろと論的整合が取れていていいのかもしれない。
だが、人間の肉体としてはざっくり10歳ぐらいからだんだん生殖可能になっていき、20になる前に性的欲求は高まる。生物としての本能を法律で縛るのは、結構無理がある。睡眠や食事をいくら健康を左右するからと言って法律で縛り始めたら、おそらく暴動が起きるだろう。
なので、同意可能か否かという知能的な性能を判断基準にするのはいささか難しい。
では、肉体的な問題はないだろうか。上に書いた通り、人による個人差が大きいが10歳前後から、多くの人は生殖機能を備えるようになっていく。では、生殖機能を備えれば、同意性交してもいいかといわれると、そうでもない。物理的なサイズの違いは一方に負担をかけやすい。
さらに、性交は避妊をきちんとしなければ妊娠という事態を生み出す。正直、少子化が進んでいる日本においては妊娠事態は歓迎するべき事項だと思うが、肉体的には、母体がある程度成熟していなければ出産時の危険は高まるし、日本の制度上は親権者の権限が強く、親権者に経済的余裕がなければ親子とも不幸になるだけだ。
親権者の権限を弱めて、すべての子供をその生まれにかかわらず社会の共同施設で育てるという仕組みにすれば、少子化に対するいろいろな問題は解決する気がするが、それはまた別の話。
現状制度から考えると、少子化対策とは逆行するかもしれないが、上記の知能的、肉体的、経済的要件をパスしているかどうかの試験を行い、ライセンス制にすれば解決するのかもしれない。
年齢で制限をするというのは、それらのテストをやる代わりに、ざっくりとリスク判断ができて、肉体的リスクが少ないというのを年齢で決めてしまおうということだろう。
確かに未成熟な肉体で妊娠してしまうリスクについては、栄養状態の良化で、昔に比べると肉体的成熟は早まっていると思うので年齢を引き下げてもいいのかもしれない。
一方で、経済的なリスクについては、昔に比べて就職年齢は平均的には上がっているし、家や親族とのつながりが薄くなるなど、稼げないときのフォロー体制も薄くなっているので、年齢はもっともっと引き上げるべきだろう。
ただ、正直経済的要件を出してきたら、多くの10代はパスできないだろうから、今度年齢が高すぎるとそれはそれで肉体的リスクが増えていく。
正直義務教育の終わる15歳ぐらいを同意年齢にして、きちんと避妊と妊娠、出産に関する知識を教育し、それでももし避妊に失敗して子供ができてしまったら、金はかかるけど中絶、もしくはお金はかからないけど出産が選べるようにして、経済的理由で子育てができない親は親権を一部制限し、子供を共同施設で育てる方向にする。あたりが妥協点なんかなぁという気がする。
時事ネタ考察 @hirousathome
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