小説の資料調査について
『賢いヒロイン』コンテストに、源氏物語の世界へ(憑依)転移した少女の物語で参加しております。
(こころさんが、こういう転移を憑依転移とか教えてくださいました。なるほどです)
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さて、皆さまは小説を書かれるにあたって、どれほど資料を調査しますか?
書くとなると、知っている場所であっても、別の知識が必要になりますが。とくに歴史物なんかだと、構造物の造りから、照明に至るまで、現代とは全く異なります。私は平安時代の地図や、御所の平面図にしがみついてます。
現代ドラマでも、ほんのちょっとしたこと、たとえば行ったことのない場所の空気感や建物の様子など、資料がなければ書けない。
まして、過去については、かなり調査する必要があって、日々、四苦八苦しています。
外国舞台の作品の場合、常識や文化が日本のそれと違うように。
歴史物は文化の違い以上の、その時代特有のものがあるのですが、なかなか調査が難しいのです。
実際、わからないことが多い。
光源氏が建てた二条院の間取りとか、平安御所の間取りとかわからないと、姫君たちが歩くときの描写ができません。
寝殿造りの建物などの平面図を漁りました。
距離間なども取りにくいんですよね。
ある方が、御所や二条院をCGで作ってらっしゃるサイトを発見して、狂喜しました。三次元映像を目で確認できるってやっぱりわかりみが大きい。
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ちなみに、紫式部のことでさえ多くのことが不明で、『源氏物語』の原本も残ってないと知って驚きました。
一番、古い『源氏物語』の写本は、書かれてから200年後に藤原定家によって書き写されたものです。
今回の『賢いヒロイン』コンテスト作品には、もっとも好きな時代のひとつ、平安時代を選んだのですが、書くことは読むとはちがって、また精査して『源氏物語』と読む必要があり、流し読みをしていた時にはわからないことが多かった。これが面白いのです。
今はネットがあるので、いろんな学術書も読めますし。
その中でも、とくに登場人物たちの年齢については驚きました。
体感では、朧月夜は三十歳くらいに思えますが、当時の年齢は十六歳。
光源氏なんて、ぜったいアラサーだと思っていたんですが、なんと、もっとも女たちと浮き名を流していた頃の年代は十代後半から二十歳。
びっくりです。
実際に『源氏物語』には書かれてないことも、年齢や背景から想像しうる出来事が案外と多くて、その発見が楽しくてしょうがない。
『源氏物語』は、四代に渡る帝の治世、七十年余の世界が描かれる大長編です。
この当時、貴族たちの平均寿命が男性三十三歳、女性二十七歳と書かれていました。
「若菜上」の巻に光源氏の四十賀(しじゅうのが)という祝いの席が書かれています。四十歳になったお祝いで、これが長寿の祝い。
四十歳で老年だと思われていたようです。
今回の作品は、光源氏が須磨に左遷させる原因を作った女性、朧月夜に焦点を当てています。
この時代の登場人物の年齢です。
光源氏・・・二十歳
朧月夜・・・十六歳
後の朱雀帝、東宮・・・二十四歳
藤壺の宮・・・二十五歳
弘徽殿の女御・・・四十一歳
主の登場人物がみな、本当に若いですよね。
作品を書くにあたって、光源氏と関わった女性について調べたのですが、一生涯で彼が相手をした数は12人以上。書かれていない名前もあるから正確な数字がわからない。物語から深読みすれば、一夜の遊びも相当にありそうです。
こらが多いかどうか、よくわからないのですが。
ただ──。
もっとも女性と関係したのは、10代から20代で、その数9人って。これは多いと、わたしは思うんですが。
お相手の女性は、下は13歳くらいから、上は50代と、まあ、年齢もさまざま。
光源氏は、ちょっとクズかもと思うのは、早くに母親を亡くし、常に母の面影を探しての恋愛遍歴。女たちを嫉妬に狂わせます。罪です。
とくに父親の正妻に手をだし、子を生ませ、その後、この皇子が帝になるという。おどろおどろしい内容もあります。
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宣伝を、すみません🙇
現在連載中の作品は第1章が完結しました。お読みくださると、本当に嬉しいです。泣いて喜びます。
『転移したら「光源氏」が本当に光っていた件について 〜光源氏は事故案件!〜』
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