あなたは、どうして小説を書くのですか? 閑話休題



 カクヨムに登録した理由は、それぞれでしょうが。書き手の方なら、シンプルに書いたものを読んでもらうためだと思っています。


 私もこちらに登録して、誰かに読んでいただき、コメントや応援、時にレビューをいただく幸せを知りました。書くだけでなく、読まれる嬉しさを知ったのです。

 時に辛辣な意見もありますが、そういう内容にも見るべきものがあるからです。


 自分だけで書いた文章は独りよがりになりがちです。

 面白いと書いた自分が思っても、実際に他の人が面白いと感じるかは未知数。でも、ひとりで書いていては、それがわかりません。


 カクヨムで人の目に触れ、感想をいただく。

 それはすごく大事なことで、また、書くうえでのスキル向上にも繋がります。


(あ、私、豆腐メンタルで、シンプルに悪意のあるご意見は無理ですから。ついつい、包丁を手首に当てますから。でも、建設的な愛情深いご指摘は大好きです。たとえ厳しいものでも、とても糧になります)



**************



 むかしから本を読むことが好きで、読んで読んで読みまくっていました。本当に好きだったのです。

 活字中毒でした。

 アルコール中毒に似た症状で、読むものがないと心が寂しかったほど。

 どこかに出かけるとき、文庫本を持ってないと落ち着かなかった。


 学生時代、春休みの1週間に10冊とか読んだときは、さすがに身体に変調がおきた。

 これは、まずいと思った。

 小学生の頃は2.0だった視力が、20歳を超えるころには、0.03以下。

 体力は衰え、体重は50キロ弱に。身長があるので、かなり痩せてました。

 ただ、こういう馬鹿なことをして良かったのは、単行本一冊を読むのに1日か2日で読めるようになったことです。


 マンガも大好きです。ただ、マンガは1冊10分くらいで読めてしまうので、コスパが悪すぎて。少ない持ち金から500円使っても10分しか楽しめない。

 すごく残念なときがあります。


 ともかく、文字を読むのが面白くてしょうがない。


 本のほうが恋人よりも好きだった。デート最中に本を読んでいても怒られなかった、心優しき君もいたな。


 いや、俺なら、フルって思われた、そこの殿方。

 わかります。私だって、そう思う。


 ただ、私、麻雀がうまかったから、男友達が多かったんです。阿佐田哲也氏の『麻雀放浪記』を読んで、すっかりハマったからです。

 父に麻雀や将棋を教えてもらったのです。強くはないですが。


 そうです。

 もう一つの欠点は、読んだ本から、すごく素直に影響を受けること。


 麻雀小説を読めば、麻雀をしたくなり。

 恋愛小説を読むと、恋愛がしたくなり。

 ホラー小説を読むと、暗がりを恐れ。

 推理小説を読むと、ショップのスタッフが殺人を犯して、店長を殺したうえに、私にワンピースを勧めていると妄想します。


 ともかく、私の世界は物語でできていました。

 そして、いつしか、自然に自分で書いていたんです。


 むかし読んだ本で、どなたか忘れましたが、ある作家の方が、心に穴がないと小説は書けないと言ってらした。

 彼だったか? 彼女だったか? 

 その言葉、事実なのでしょうか?


 確かに、完璧に心が満たされた幸せな瞬間、書こうなんて思わないのも確かです。


 たとえば……、

 最高の食材で作ったディナーを食べ終え、満腹で香り高い珈琲を飲んだ瞬間とか。

 この世のものとは思えないほ美しく蒼い水をたたえた湖畔に、樹木を通して太陽の光がまばゆく照らした瞬間とか。


 そんな時。

 小説を書こうとは思わないかもしれません。


 でも、そんな瞬間は人生において短いひと時。

 残りの時間、心が欠けた思いを抱いて、だから、小説を書いてしまうのかもしれないのです。


 ところで、あなたは……、

 どうして、小説を書かれるのですか?


 ****************3

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る