書籍化になりやすいジャンルをカクヨムコン6の傾向からランキング


 カクヨムで求められている小説、読まれる小説。

 あるいは書籍化になりやすいジャンルという問いに、コンテストの結果をみるといいと思います。


 今回、はじめて参加したカクヨムコン6の受賞結果で検証してみました。

 一番、驚いたのは、受賞数です。

 異世界ファンタジーで、大賞は1作、特別賞が14作もあったのです。


 ここから見えて来るものといえば、やはり『異世界ファンタジー』ジャンルが人気があるということでしょう。


 ただし、受賞作の数字だけでなく、応募総数からの受賞率を見ると、また別の結論が浮かんできました。


 数字は最後尾です。


 応募総数が段違いが多かった「異世界ファンタジー」。

 応募規定の10万文字を超えた作品での通過率は約10%でした。

 他ジャンルが軒並み、20%を超えているところを見ると、通過するだけでも、このジャンルは難関です。


 しかし、受賞作の結果だけを見ると、大賞1作特別賞14作。中間審査を突破できれば受賞率は7%もあります。


 このジャンルが人気のある証拠でしょう。


 一方、中間審査を通過するもっとも楽なジャンルは、数字で見る限りにおいて「どんでん返し」部門でした。10万文字を超えた作品での通過率は26.25%。異世界の1割に比べ、3割ちかい作品が通過しています。


 ただし、唯一、大賞がなかった部門。

 受賞作は特別賞2作のみ。

 こんな作品が欲しいと書かれた内容では、一般文芸の推理小説作家の作品でした。しかし、選ばれた作品は結果としてラノベ作品。


 これを見ると、編集側の苦渋を感じます。


 ラノベ界隈に限っては、どんでん返し部門で中間審査を通過することが簡単でも、結果としてはミステリー作品が人気になることはない。


・・・・・・・・


 さて、数字から、新しい発見がありました。


 人気の「異世界ファンタジー」部門よりも、今回のカクヨムコン6の結果では、「ラブコメ」部門が群を抜いていい結果が出ています。


 というのも、中間審査では、10万文字を超えた作品での通過率は25%ありました。「異世界ファンタジー」の倍以上の通過率です。その上に、受賞作大賞1作に特別賞12作。

 受賞率にして、8.6%。


 こうしてみると、もっとも受賞が多かったのは「ラブコメ」部門です。


 どのジャンルの作品が受賞しやすいか、受賞率でランキングにしますと下記のような結果になりました。


 1位 ラブコメ

 2位 異世界ファンタジー

 3位 恋愛

 4位 現代ファンタジー

 5位 キャラクター

 6位 どんでん返し


 受賞数から、カクヨムの求める小説、あるいは、読者が求めるジャンルは、もしかすると、今は『ラブコメ』かもしれません。


 そして、キャラクター、どんでん返し。両部門はトップジャンルから見ると、かなり寂しい結果と書かざるおえません。



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【ジャンルのデータ】


 🔔異世界ファンタジー部門

 応募作 2,775作品

 中間通過作 207作品

 10万字超の通過率 10.05%


【結果】

 大賞 1作

 特別賞 14作

 受賞率 約7%


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 🔔現代ファンタジー部門

 応募作 1,112作品

 中間通過作 170作品

 10万字超の通過率 22.10%


【結果】

 大賞 1作

 特別賞 4作

 受賞率 2.9%


 *************


 🔔恋愛部門

 応募作 810作品

 中間通過作 119作品

 10万字超の通過率 22.16%


【結果】

 大賞 1作

 特別賞 4作

 受賞率 4.2%


 *************


 🔔ラブコメ部門

 応募作 929作品

 中間通過作 150作品

 10万字超の通過率 24.46%


【結果】

 大賞 1作

 特別賞 12作

 受賞率 8.6%


 *************


 🔔キャラクター文芸部門

 応募作 599作品

 中間通過作 150作品

 10万字超の通過率 24.14%


【結果】

 大賞 1作

 特別賞 2作

 受賞率 2%


 *************


 🔔どんでん返し部門

 応募 628作品

 中間通過作 105作品

 10万字超の通過率 26.25%


【結果】

 大賞 なし

 特別賞 2作

 受賞率 1.9%


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 ま、というわけで、ちょっと『大人向け歴史嫁姑物語』という新ジャンルを公開しています。お読みいただければ、嬉しいわけで……。


「明智光秀によろしく」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054910100910

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