異界構築軍 全てを再構築するための1つ

前てんパ

異界構築軍の1人の話

 俺は団長に救われた。

 異能を与えてくれた。

 そう。力だ。


 チカラ

 チカラチカラ

 チカラチカラチカラ


 そうだ!もっと力を手にするためにもっと全部殺すんだ!!


 まずは手当り次第に奴らを殺す


 殺す

 殺す殺す

 殺す殺す殺す

 殺す殺す殺す殺す

 殺す殺す殺す殺す殺す


 ははは


 全部




 無くすんだ




――――――――


「金持ってるだろ?さっさと寄越せよ。じゃねぇと」





「殺すぞ」





 僕は足の震えを抑えながら財布を取り出す


 彼は財布を直ぐに僕の手から奪い、お金を取り出す


「おー!こりゃ大量だ!ははは!有難く頂いてくぜ?」


「う……」


 目から大量の水が出てくる。泣いているのか。悲しいのか。




 いや




 憎いんだ




 アイツが憎くて仕方ない。僕がバイトをしてやっと貯めたお金をなんの躊躇いもなく奪っていく。



 アイツを倒せる力があれば



「『チカラ』が欲しいですか?」


 !?


「だ、だれですか?」


 振り返るとそこには真っ黒な仮面を付けた細身の男がいた。


 服装はタキシードを来ており、まるで執事のようだった。


「おっと失礼。私は異界構築軍ナンバー2の団員名『バトラー』です」


 異界構築軍……?なんだろう……


「『チカラ』が欲しいんですよね?」


「え、あ、はい……」


 この人に頼んだら本当にアイツを倒せるような力を手に入れられそう。そんな感じがする。


「では団長お願いします」


「あぁ、わかった」


「え!?」


 目の前に突然また真っ黒な仮面を着けた人が現れた。


「じゃあ君に力を与えよう。どんな力が欲しい」


 どんな……それなら


「憎いやつを倒せるような力が欲しいです」


「そうか。なら増強系にしよう。君の力をいくらでも強くする力を。これは扱いやすい力だ。好きに使うといい」





 不思議な感覚だ。なんでも出来るような全能感と言うべきなのか。





 あぁ、これでアイツを








 殺せる









――――――――――


 空き教室に彼に呼び出された



「金寄越せよ。ほらさっさと出せよ」


 襟元を掴まれる。


 今日もこれだ。昨日お前が奪ったばかりだろう。


「じゃないと殺すぞ!」


 だか今日でこのやり取りも終わりだ。


「とっとと出しやがれ!」


 僕は蹴り飛ばされる。



「そっか。君ってこんな弱かったんだ。」


 蹴り飛ばされて頭もぶつけた。なのに全く痛くない。


「な、なんだよ!ほ、本当に殺すぞ!」








 はぁ……









「僕を殺すか……こんなに弱いのに……呆れるよ」




「君は異能も持ってないんだろ?」


「な、何の話だよ!調子に乗るのも大概にしろ!」


 彼は僕に向かって拳を振るってくる。その拳はすごく遅かった。


 しかしわざと当たってあげた


「い、痛え!」


「君は僕を殴ったね。じゃあ僕もお返しに君を殴るよ」


 僕は彼の頭に向かって思いっきり拳を振るう。








 彼の頭は吹き飛んだ。



 空き教室の壁は崩壊し、外が見えている。



 彼の体は倒れ血を流している。




「ハハハ……アーッハハハ!!」


 おかしいねぇ!アイツは俺を殺すとか言っておいて俺に殺されてやがる!


 あー面白い。


「どうだい?異能は」


 異界構築軍団長『デウス』。


「えぇ、団長。素晴らしいです」


「君にはこれをあげよう。団員の証だ。君は現在、ナンバー3だ。更に強くなってクズ共を殺しまくれ」


「はい」










 これから僕の……いや、俺の全てのクズ共を殺す物語を作ろう。俺のための。最高の物語を!!



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