高気圧はヴィーナスたちの交差点
sigh
5月
5月上旬、ゴールデンウィークを過ぎたあたり、天気予報が注意喚起を促す対象物は、花粉や黄砂からあるものに切り替わる。
「今日は初夏らしい汗ばむ陽気となりそうです!皆さん、紫外線にはくれぐれもご注意を!」
中継現場できらきらとした朝日を浴びて、ふんわりとウェーブのかかった髪を揺らし、ベビーピンクのシフォンブラウスを着た可愛らしいキャスターは、画面越しにそう言って笑いかけていた。
「遅い…」
キャスターに聞こえるわけでもないが、口からは低い呟きが漏れ出ていた。
まるでたった今、放射が強まったかのように紫外線の話をしている。
それにそんなガードの甘い七分袖のブラウスで、さんさんと日の光を浴びながらふんわりと注意されても説得力はまるでない。
今年こそ、徹底的に腰を据えて向き合おうと腹に決めたことがあった。
そしてこの戦いはおそらく来年以降もずっと続く、続いていくであろうもの。
自分のモチベーションが鍵になる部分も多分に含んだこの夏の戦いは、きっと今後の役にも立つはずと思いつつ。
私と、夏の日差しとの攻防戦をここに記録する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます