エピローグ② 渋沢家
渋沢 小春視点
「早いもんだな」
「そうね」
「五月ちゃんは僕たちが結婚した翌年に生まれたんだもんな」
「うん。本当私達にとっても娘みたいな感じだったもんね」
今日は春姫の娘さんの五月ちゃんの結婚式だった。
式も披露宴も終わり、ついさっき帰宅したところだ。
本当暖かで素敵な結婚式だった。
春姫も大和君も花嫁の両親として立派だったな。
しかもお相手は私の尊敬する村田先輩の息子さんでもある一彦君。
どちらも小さい頃から知っているだけに何だか感慨深い。
ちなみに2人を巡り合わせたのは私だったりもする♪
と言っても、春姫が私の家に五月ちゃんを連れて遊びに来た帰りに偶々駅前で一彦君を連れた先輩に出会って紹介したんだけだけど。
でも五月ちゃんと一彦君が同い年だったこともあって、その後は私と春姫が先輩の家の酒屋バーで飲んでる間に一緒に遊んでてもらったりする様になったのよね。
地元は違かったから学校は別々で途中疎遠になったみたいだけど川野辺高校に進学したときに再会して・・・一彦君が告白したんだよね。
まぁ五月ちゃんって春姫に似て可愛いし再会して告白した気持ちもわかるわ。
「うちの春香もその内・・・」
「何?開成君もうそんなこと考えてるの?」
幾らなんでも気が早いでしょ。
「いや・・・春香も最近睦月君といい感じじゃないか。今日も僕らと居る時間以外はずっと睦月君と一緒だったし」
「まぁ確かに仲は良いけど、睦月君もようやく来年大学卒業だし、就職して落ち着くまでは・・・早くても後2,3年くらいはかかるんじゃない?」
「2,3年かぁ・・・」
確かに成海は大学進学に合わせて学生寮に入ったから滅多にうちに顔を出さないし、多分卒業しても家には戻らないわよね。
そうなると・・・春香が居なくなると確かに寂しくなるかな。
でも・・・
「私が居るでしょ?」
「え?」
「確かに春香が出て行ってしまったら寂しいけど、開成君には私が居るじゃない。
それとも私だけじゃご不満かしら?」
私がそういうと開成君は一瞬驚いたような表情をしたもののすぐに優しそうに微笑みながら私に言った。
「・・・そうだな。いや、小春が居てくれるんだもんな。
あぁ不満なんてない大満足だ。愛してるよ小春」
「え?あ、ちょっと」
そう言いながら私を引き寄せ抱きしめてきた。
何だか最近こんな場面が無かったからちょっと驚いたけど・・・何だか落ち着くし悪くないかな♪
「ただいまぁ~♪」
「ただいま~」
噂をすれば何とやらというか、2次会に参加していた春香が帰って来たみたいだ。
声からすると成海も一緒かな?
でもタイミング悪いぞ子供達よ!!
「帰って来たみたいだな」
「うん。今日は成海も泊っていくって言ってたから久しぶりに家族団欒な感じね」
「そうだな」
「お母さ~ん お土産でケーキ貰ってきたよ~」
春香が居る。成海が居る。そして開成君が居る。
幸せだな私。
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あとがき
渋沢家おまけ話でした。
本作は「あなたの事が好きになったかもしれない」をはじめ「7年目の約束」シリーズの最終作(一番の未来)ということで書いてみました。
仕事諸々で少々メンタル疲弊気味で更新も遅くなりましたが、今後も折をみて短編などは書いてみたいと思いますので機会あればお読みいただければ幸いです。
また今連載が止まっている「恋人たちの四重奏」も近々連載を再開する予定なのでそちらもよろしければ是非。
2021/10/31
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