第7話 日高龍馬の姉

日高龍馬の家。

学校のない日曜日に彼の家では一人の女性の声が鳴り響く。


「おーい、龍馬!!」


日高龍馬の姉、千鶴だ。

彼女は20歳の大学生で、法学部に所属している。

龍馬は背後から声をかけられたため、面倒さそうに必要最低限の動作で後ろを向いた。


「んだよ、姉さん」


少し不満を漏らしながら。

だが、次の瞬間、龍馬は転げてしまった。


「な、なんでびしょ濡れなんだよ!!」


そう。

そこには服をびっしょりと濡らした千鶴がそこにはいたのだ。

確かに今日の天気は荒れており、雨も風もかなりのものだったのだが。


そして、千鶴は照れくさそうに言った。


「いやー、駅から傘さして歩いて帰ろうと思ったら、駅出た瞬間に傘が風でぶっ壊れたから諦めて走って帰ってきた」


「ゆ、勇敢すぎんだろ。この姉」


龍馬は自分の姉の良くない意味での凄さを改めて思い知らされた。

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