ほしと星(300字小説)

「ねえねえ、お空でキラキラしているのってなぁに?」

私に抱っこされている三歳の娘が聞いてくる。

「あれはね、星っていうのよ」

「ほし?」

首を傾げる君は初めてのものを知った顔ではなかった。

「ほしってこれでしょ? ねえねえ、手だして」

私が素直に手を出すと彼女はそこに何かを描いた。

最初はわからなかったが、何回か描く娘の手の動きを見て気づいた。彼女は星を描いていたのだ。一筆書きで描ける星を。

「ほしはこれ!」

彼女はニコッと笑顔を作り私を見てきた。そんな娘の頭を撫でながら私は言った。

「これもほし。お空にあるのも星」

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