会えない君と死 (1)
掴めそうで掴めない君の腕を掴もうと前に手を伸ばす。
僕の手は空中で風を切った。
僕にはそこにある腕が、彼女の体が、顔が見えるのに。
「僕が君の腕を掴めるようになるのはいつ?」
「うーん。死んでから……?」
今日も僕は彼女の手を握るべく、死ぬ方法を模索する。待っててね、すぐにいくよ。
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