第6話 配合できるまでの『我慢』
ダンジョン整備中だったガラクシアを呼んで、2人でガチャから引いた魔名カードと聖魔物を見ている。
自分の好きな物を選んでいいよと伝えてあるが、いきなり33個ものぶっ飛んだランクの物が並び驚いているようだ。
リーナに確認したがランクEXは知らないらしい。
コアに書いてある説明はどれも詳しいことが書いてないのが気になるところだ。
魔名カード『夜天を統べる者』 ランクEX
・魔タイプ ・夜に関する魔法や技法を全て扱える力。
・夜の時間帯であれば魔力消費を半分で魔法等が使用可能。
・闇や夜に関連する魔力を吸収することができる。
正直よく分からんものだ。
でも弱いことは書いてないし、むしろメリットしかないのでSSランクの上と捉えている。
全容が分からないのは、他のスキルやアビリティ、どんな魔法が存在するか知らないからピンと来ていないんだと思う。
「マスタ~! ピンときたやつ選んだよ!」
「どれどれ」
ガラクシアが勢いよく迫りながらアピールしてくる。
最初はぶっ飛んだランクの列に少しだけ遠慮もしていたけど、途中から楽しくなったのかノリノリで選んでいた。
ガラクシアが選んだ4つアイテムが前に出されている。
1.魔名カード『夜天を統べる者』 ランクEX
2.魔名カード『辺獄』 ランクEX
3.魔名カード『大罪』 ランクS
4.聖魔物『禁忌の書』 ランクEX
俺の魔名である『大罪』が恐ろしく弱く見えてしまう現実と気を使わせてしまっているんじゃないかという不安でガラクシアに尋ねる。
「本当に『大罪』使うのか? 見劣りしてるけど」
「マスターの魔名は必須だよ! それに直感だけどこの組み合わせが一番合いそうだなって思ったの!」
「ならいいんだけど」
「色んな部分でマスターの役に立てるよう強くなるね!」
「色んな部分は詳しく聞かないでおくけども」
「じゃ~次はポラール呼んでこないとね!」
ガラクシアはそう言って部屋を出ていった。
とりあえず選ぶだけでも楽しいな。
ポラールにも選んでもらってダンジョンレベルを上げないとな。罠やら何やら作れば少しずつ上がるから8まで頑張らないとな。
◇
ポラールはかなり悩んでいたので、一旦候補を決めて保留にした。
今は皆でダンジョンレベルを上げるためにはどうするべきかの話し合いの最中だ。
まだダンジョンをオープンせず頑張って入り口を隠している俺たちは8はかなり遠そうだ。
「魔物のLv上げではダンジョンレベルは上げづらいので設備を整えていくのが良いかと」
「なるほど、まずはいつも通り罠づくりだな」
「飽きたよ~」
「これもダンジョンのためです! 気合を入れなさい!」
ガラクシアとポラールが先頭に立って他の魔物に指示を出していく。
これまでに落とし穴と竹槍や落石なんかを製作してきた。
あと少しだけ追加しておきたいから皆には頑張ってもらわないとな。
俺はコアのところに行ってダンジョン構造を弄るかな。
「ソウイチ様はどのようなダンジョン構造を考えておられるのですか?」
「真名をあげられるのが全部で12体までだから、その12体が各階で戦いやすいような形にしてあげたいな」
「なるほど真名持ちをバラバラに配置するのですね」
「最高の状態で戦ったほうがいいのかなって思ったんだよ」
連携も大事だけど、環境に完全にマッチした魔物を集めたほうが力を発揮しやすいと思うし遠慮も無くなる気がする。
そのためには中心になって力を発揮していける魔物が必要になってくる。
ガラクシアとポラールはもっと強くなって、配合も上手くいけば確実に俺が考えている役割を頼めるはずだ。
「まぁ、まだ今後の展望を見ないと分からないからな」
「そうですね。揃った戦力に合ったダンジョンを作らなければいけませんね」
そんな話をしているうちにコアルームに到着した。
さっそく画面を見てダンジョン構造を見てみる。
今のダンジョンは地上に入り口があってそこから下に進んでいく構造になっている。
入り口から少し進むと大量に岩が置かれているエリアがあって岩陰に一角ウサギが大量にいるエリアになっている。
落とし穴も何個も置いてあって視界が悪い中、一角ウサギの突進を捌きながら落とし穴を避けなければいけない地帯になっているのが第1エリア。
その先を進むとスケルトンが大量にフラフラしており、頭上には数体のスライムが冒険者を窒息させるために息を潜めている第2エリア。
そこを抜ければ地下に行けて、ゴブリン集落&罠祭りエリアだ。
ゴブリンには石造りの武器を渡してあるので戦闘力が少しはあるようになっている。
ゴブリンが劣勢になるとソルジャー君とスケルトン軍団が襲撃するようになっている。
そこを抜けられると最終エリアでガラクシア&ポラールと俺が待つ場所になっている。
DE的にも無駄な補強はできないので悩ましいけど個人的に魔物を増やすよりは罠だと思うんだけどな。
「どう思う?」
「ダンジョンレベルは居住区を拡張しても上がりますよ?」
「なるほど!」
それだったらやりたいことはたくさんある。
DEを使わずに食事を確保するための場所を決めておきたい。
追加できる設備を見ていると良い物がたくさん出てくる。
そのまま追加していこう。
「まずは果樹園だな」
「魔王界で大人気な設備の1つですね」
「果樹園が回せるように害虫駆除に召喚できる鳥や虫を出しておくか」
果樹園と害虫駆除をしてくれる大蠅ってやつと鳥を数羽を召喚して全部で900DEを消費した。
次に追加したのは牧場エリアを追加した。
とりあえず鶏と豚をメインに召喚していく、綺麗な川も作ったので1500DEを消費した。
「まったくダンジョンレベル上がらないな」
「普通の魔王のペースで大体1カ月少しかかりますからね。厳しいかもしれません」
「先に言っといてくれよ」
『銅の魔王』との戦争まで配合が間に合わない可能性も出てきた。
魔物の戦力差が大きくなりそうな中どうやって戦うか考えないといけなくなってきたな。
「とりあえず罠づくりするか」
「そうですね」
「あんなにガチャで凄い物が当たったのに使えるのが当分先ってどうなってんだよ」
新しくできたエリアを見回しをしつつ、ガラクシアとポラールがまとめてくれる罠づくりチームのところへと向かった。
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