最終章 第3話
「ヤバい……。
腰痛いかも。」
「私も……。」
気付いたら、二人とも寝ていて。
起きたら、めちゃくちゃ腰が痛い。
「雪夏、そこの引き出しから湿布出してくれる?」
「うん。
貼ってあげようか?」
「ありがとう。」
私は拓哉に湿布を貼る。
「はい、出来た。」
「お前も貼る?」
「うん。」
「あっ、どうしよ?」
「え?」
「いや、何でもない。
ほら、湿布貼ったよ。」
「ありがとう。
そんで、何?」
また何か隠してる!
そう思うと聞きたくなる!
「迫って来るな!
マジで反応しちゃうから!」
「あらぁ……元気な事。」
「オバチャンみたいに言うな。」
それにしても腰が痛い……。
「あれ?
雪夏、声がガラガラじゃん?」
「え?」
「あぁ……あんなに声を出してたもんな。」
「ちょ、ちょっと、そういう事、冷静に言わないでよ!」
「フフッ、怒った顔も可愛いな。
何だろう、何しててもキュンと来るわ。」
「キュンってしたの?」
「するよ。
だから、好奇心旺盛な目をするな!」
「ダメなの?」
「まぁ、禁止ではないけど、理性保てないんで、今は御遠慮いただきたい……。」
「ハハッ、何か可愛いね、先輩!」
「だから、先輩って……。」
「うるさーい!」
私からのキスで口を塞ぐ。
拓哉は一瞬驚いてたけど……。
「ごめん、マジで湿布のニオイ凄いな……これ?
萎えるわ。」
「ハハッ、ほーんと。」
私達は寄り添うように座った。
このままここに居たい。
「あぁ……そうだ。
皆に報告しないとなぁ。
散々心配かけたし。」
「そっか。」
「ちょっと、後で集まれるか聞いてみる。」
「そうだね。」
ちゃんと、ごめんなさいとありがとうを言わなくちゃ。
皆がいてくれたから、私達は元サヤに戻ったわけで……。
「皆、バラバラだけど、うちに来るって。」
「え?
ここに?
飲み物とかオヤツとか用意しなきゃ!」
「そうだな。」
「買い物行くか。」
「大丈夫?
腰……。」
「まぁな。
お前がいれば、頑張れるでしょ?」
「拓哉……。」
「見つめるなって。
買い物行けなくなる。」
「ハハッ、そうか。
早く行こう?」
「分かった分かった、引っ張るな!
もーう、本当に子供っぽいな……。」
「そういう所も好きなくせに。」
「そうだよ、好きだよ、文句あるか!」
「ございません!」
こんな風に言い合いするとか、もう無いと思ってたから。
一つ一つが新鮮で、でも懐かしくもある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます