第3章 第10話
今日は仕事は休み!
そして、苑香も仕事が休み!
「もーう、そんな暗い顔しないでよー!」
カフェで苑香と話している。
「あのさー、今日は好きな物食べていいよ?!」
「え?」
「佐藤先輩がお金を払ってくれるって。」
「え?
何で?」
「めっちゃ心配してたよ。
泣いてたって。」
「え?
何で……。」
「買い物に行った時に見たって。」
「……。」
「元気出して欲しいから、苑香ちゃんのおごりって事で誘ってやってって言われた。
でも私がお小遣い少ないってボヤいてるのを雪夏は知ってるじゃん?
だから隠せないよね?」
「……。」
「だから、これ私のおごりって事で注文していいよ?」
「元彼にそこまでしてもらうのって……。」
「うーん、まだ雪夏の事好きなのかも。」
「え?
あんな遊びまくってるのに?」
今更、まだ好きなのかもって聞いてもね?って思う。
「あら……元気そうじゃないの。」
私の背後で呟く声がする。
「え?
秋奈……。
学校はどうしたの?」
「終わったから来たのよ。
元気ないって聞いたけど、元気そう……。」
「ごめん、心配してくれたのね?」
「まぁね。」
秋奈が急いで来てくれたのかバッグが開いている……。
「秋奈、バッグ開いてる……。」
「え?
あぁ……。
でも中身は無事ね。」
秋奈は妙に冷静だった。
「もう皆、揃ってるんだ?」
胡桃が何だか疲れていそうな表情で帰ってきた。
「どうした?」
「実習でクッキー作ったの食べてもらおうと思って、走ってきた。」
「え?
走らなくても連絡してくれたら待つよ?」
「あぁ……。
スマホの存在忘れてた!」
胡桃がクッキーを出してくれた。
「このクッキー、紅茶に合うよ。
皆で紅茶飲まない?」
「飲みたい!」
「だよね!
持ってくるから待ってて。」
胡桃が紅茶をいれて来てくれるみたい。
「ご飯食べようと思ったのに、いきなりオヤツだね!」
「まぁ……お腹に入ったら一緒でしょう?」
「アハハ、そうだそうだ。
あとでご飯にしよう!」
苑香がゲラゲラ笑ってる。
懐かしい雰囲気。
「ご飯って言えば、新メニューでタケノコ定食があるんだって。」
「渋いチョイスね?」
「だよねー!
でも激ウマらしい!
軽部先輩が言ってた。」
「上手く行ってるのね?」
「もちろん!」
皆でいるこの時間に癒される。
でも何があったの?とか、話して?とか言われない。
泣いてたの心配だから、元気出してもらいたいって、皆で集まってくれた。
それだけで救われる。
本当に辛いときは、ちゃんと話すよ。
皆、ありがとう!
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