第2章 第2話

「ごめーん、今日は先に帰るわ。」


「うん、また明日ね!」


胡桃が慌てて帰って行く。

私と苑香と秋奈の三人で教室でダラダラ話す放課後。


「あぁ……またデートか。」


「そうだね。」


胡桃には違う高校の同学年の彼氏がいる。


「はぁ……羨ましい。」


苑香の大きいため息が響く。


「羨ましいかな?

私はそうでもないけど?」


秋奈は恋愛に興味はあるけど、化学大好き女子だから、研究者にしか興味が無さそう……。


「秋奈は化学語れる人がいいんでしょ?」


「まぁね。

私は血を見るのも嫌だし、医療関係者は向かないけど、治療薬の開発とか興味があるんだよね。」


「何か凄い夢だね。」


「そう?

でも日々開発される新薬が私の手で作られて、貴女達の病気が治るとか嬉しいじゃん?」


「あぁ……でも、私の友達が作った薬がCMとかで出てきたら感動するかも?」


「そうね。

でもノーベル賞とか目指したいから、いっぱい勉強しないとね。」


「じゃあ、ここで話してて大丈夫なの?」


「だって、皆と一緒なの今だけじゃん?

今を楽しまないと、私の将来は友達に会う時間ないかも?だし。」


「そうか……それは悲しいな。」


「悲しいって……嬉しいこと言ってくれるじゃないの!」


秋奈が抱きついてくる。


「でもさぁ……今だけって本当に悲しいよね。

来年の今頃は別々でしょ?」


「そうだね。」


「だからといって何かするって言われると難しいよね。」


「そうそう。

大人になって後悔するかな?」


「するかもね?」


「じゃあ、皆でやりたい事をいっぱいしよう?」


「そうだね。」


私達はまだ子供で。

でも就職組は、来年から社会人。

未成年でも大人の世界に飛び込むような。

バイトとかと違う正社員。

そうなれるか分からないんだけど。

就職組だって、面接とかテストもある。

だから、受験と違う勉強や練習をさせられるのかも?


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