京急蒲田駅

「あーもう!複雑すぎるよ!」

京急蒲田駅構内に女子高校生の声がこだまする。彼女は今日からこの駅を起点に押上の方に通学することになったのだが、受験時は親と一緒にこの駅にやって来た。実際1人で来るのはこれが初だ。


周りは当たり前に目的地へと向かえているのに、自分だけ向かえない。まるで闇夜に取り残された様な感覚が身体を蝕む。(あと数分後に乗らなきゃいけないエアポート急行の電車が出ちゃう…)

彼女の中での焦りが次第に膨らんでいく。闇雲に駅構内を駆け回った。


___あった。4番線だ。

肩を上げ下げしながら辿り着いた先には目的の車両が。安堵を覚え、無事通学経路を覚えることができた。


今日も空に満開の桜が舞う。

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