湘南台駅

多くの人が行き交う様子が伺える。

1人で眠さに負けそうになりながらも小田急に駆け込みを試みる男子高校生が1人、この駅にはいた。

恐らく横浜市営地下鉄から来たのであろう。定期の区間には「舞岡ー南林間」と記載されていた。


「こんなんじゃ体育祭の練習間に合わねえよ」

あたりの声とは比べ物にもならない程の小声で呟く。今は通勤ラッシュ。湘南台駅には多くの人が溢れていて、とてもじゃないけれど走ってホームまで行けるかは怪しい。

彼の手には定期と水筒のみ。意を決した彼は人混みに身を投じ、ホームまで駆け上がった。



残念なことに、目の前で電車は出てしまった。

そう思って諦めていた矢先、次の電車がホームにやってきた。

今にも「よぉ」と言い始めてドヤ顔をしそうな感じだった。

それに乗った彼は、最寄りである南林間まで走り抜けた。



_______んだよ今日練習じゃないのかよ!!!!

どうやら日付を勘違いしていた様子。グラウンドに向かっても誰もいなかったことを確認したら、鉛色のような空の下、と学校を去っていった。

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