第22話:銀の矢
銀の矢が急所へと突き刺さった
「倒せたっ!?」
(…あのリリの矢の一発で死んだのか?)
リリは壁走りで
「大丈ぶっ…に、
「っ…あっ。 …だ、だれ?」
助け起こされた二宮は意識が朦朧としているのか、助け起こしたリリにされるがままになっていた。リリは二宮が自分が『同級生の天野リリ』だとバレていないことにホッとすると、弓を袈裟懸けで背負って二宮の肩を支えて歩き出そうとする。
「今、安全な場所に連れて行くから! (でもなんで急に矢が4つに分かれたんだろう)」
「うっ…ありがと…ござい…す」
リリは疑問を覚えるが、ひとまず目の前ことを最優先にする。床に転がって動かなくなった
ブォンッ。
矢の風切り音とはまったく違う、質量を伴った音がリリの頭スレスレを通っていく。リリの髪先に拳がぶつかり、数本の髪の毛ごと空をえぐっていく。
「二宮さん、逃げてっ!」
「え、なんでアタシの名前」
「早くっ! 走って!」
リリはつんのめった二宮を押すと、弓を背から下ろして臨戦体制を取る。そして間合いを取るために後ろへと飛び退く。リリは
(…なんで動かないんだろう)
「うおおぉオオオ!!」
(リリ、何をしているの!? 今が攻撃のチャンスだよ!)
「う、うんっ!」
奏矢に頭の中で指示を出す。
リリは再度矢を構え直すと、今度は
「えっ」
ちょうど矢が
ドンっ。
突如、リリの左脇腹に後ろから衝撃が走る。まるで肘打ちを食らったかのような感覚であったが、リリは自分の脇腹から突き抜けたその"角先"を見てようやく理解する。『後ろから刺された』、と。
「…あっ、あっ」
「さっき
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