第3話 お母さんとは

 今日はわたしのお母さんの話をするわね。


 お母さんとはわたしの世話をしてくれる人のことよ。


 初めてお母さんと会ったときは、まだわたしはお母さんの両手に乗るぐらいの大きさだったの。


 懐かしいわ。


 覚えているのかって?


 覚えているわけないじゃない。


 気分よ! 気分!


 

 そして、ごはんを用意してくれる人ね。

 ここ、テストに出るくらい大切よ!


 前の家では色んな人がごはんをくれたけど、新しい家にはわたしとお母さんだけだから、いつもお母さんだけ。

 もう前の家にはわたしの皿が置いてないのよ。

 でも、わたしの場所は残っているから、魚を焼いた日や焼肉の日には遊びに行くのを欠かさないわ。


 

 

 そして、お母さんはわたしと一緒に寝てくれる人よ。


 寒い夜にはお母さんの顔やお腹でにくきゅうを温めるととっってもよく眠れるの。


 夜の散歩は楽しいけど、冷えることが多いでしょう?


「純毛100%なのに、ポンは寒いのね。」


 って、お母さんはそう言うけど、レディに冷えは大敵だから!


 そうそう、温めるときには服ごしはダメよ。直接、肌でにくきゅうを温めるの。それがすごく気持ちいいわ。


 


 あっ!言い忘れてたわ。

お母さんはネズミが好きじゃないみたい。


 日頃の感謝をこめて、ネズミをプレゼントしたんだけど、悲鳴を上げられちゃったわ。


 ちゃんとすぐに気づけるように、枕元に置いておいたのに……

 がまんできずにちょっとかじってたのがダメだったのかしら?


 残念だわ。


 

 それからはわたしも気をつかって、枕元じゃなくて、お母さんの布団の横とか、居間でお母さんが座る座布団とかにプレゼントは置くようにしたの。


 わたし、気をつかえるレディなの。

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