サクラサーガー黒鉄ノ騎士と博愛ノ魔術士ー

@Mu-saaaan

第1話 腹が減ってはなんとやら?

煙が舞い、火が燃え盛り、鉄と鉄がぶつかる音が響く…

俺はこの世界で生きてきた、死ぬ時もこの世界で死ぬと思っていた…はずだった

エイパス「…腹が減った」

空腹のあまり道端で倒れる黒い剣士、彼こそがこのお話の主役「エイパス」だ

エイパス「食料が尽きて3日、歩けども歩けども食べ物どころか水場もない…まさか人生の終わりが野…垂れ…」

意識が遠のき気絶するエイパス、しばらくして1人の女性がやってくる

エイル「ありゃりゃ、こんな所に死体?参ったな〜おーい、生きてる?生きてたら返事しておくれー?」

しゃがみこみエイパスの顔をペシペシ叩き続けるこの女性はエイルだ

エイパス「…ん、んん…?地獄の鬼にしてはやかましいな」

エイル「お、死んでなかった!それと私は地獄の鬼でも天国の使者でもないよ、それよりこれ食べる?」

サンドイッチを差し出されたエイパスは先程までとは一転、サンドイッチをもぎ取りムシャムシャと食べ始める

エイル「そんなにお腹すいてたのかい?なら果物とかもあるけど…」

エイパス「モグモグ…全部貰う」

一頻り食べたり飲んだりしてやっと元気を取り戻したエイパス

エイル「んで?私の食料を全て食べた貴方はどこの誰さん?」

エイパス「別に名乗る程の者じゃ」

エイル「私の食料を全て食べた貴方はだぁれ?」

にこやかに同じ質問を返すエイル、その裏にはただならぬオーラが出ていた

エイパス「…俺の名前はエイパス、実は」

エイパスは自分の素性をエイルに話した、別の世界でダブルナイトと呼ばれる戦士と戦ってた事、この世界に飛ばされディヴィニス、フローリアの戦いに身を投じた事、そして旅の目的であるフローリアの王「ガオンハルト」から投げかれられた「貴方の剣は何を斬れば気が済むのか」を探すことについて

エイル「なるほど…よし決めた!君の旅に私も付き合おう」

エイパス「何言ってんだ?そんなのゴメン…」

エイル「嫌なら食べた物のお代を全て払う?この場で」

エイパス「それは…」

エイパスは1文無しだった

エイル「そしたら私と勝負しよう、私に一太刀いれたら素直に諦めようだけど私が君に一撃入れたら旅に同行する。どうかな?」

エイパス「…構わないが手加減できるほど優しくないぞ」

エイル「大丈夫さ、私はこう見えて「愛に生きる平和の魔法使い、エイル・ラブピース」だからね♡」

そして、両者合意の上で戦いが始まったのであった。エイパスはすぐさま間合いを詰め剣撃を浴びせるもエイルは空に舞う花弁のようにひょうひょうと避け続ける

エイパス「…(なんだこの女、ただの魔術士じゃないぞ)」

手を変え策を変え攻撃を続けるも避けられ続ける

エイル「ふぅ〜踊るのも疲れてきたしそろそろフィナーレといきますか、バインド!」

エイルは後方へ飛び間合いをとり指を鳴らした。するとエイパスの足に植物の蔦が絡みつく

エイパス「これは!?いつの間に…」

エイル「避け続けられて頭に血が上ればがむしゃらに斬りこんでくる事はさっきの昔話から推測したのだけどあっさりかかってくれたね。そしたら仕上げにオーバーバインド!」

動きが止まったエイパスの体に今度は土でできた触手が絡みついた

エイパス「う、動けん…!」

動きを封殺されたエイパスにつかつかと歩み近づくエイル

エイル「はい、おしまい♡」

エイパスの額にデコピンをすると体を拘束してた触手や蔦が解け落ちる。エイパスは膝から崩れ落ち手を着く

エイパス「剣で生き、剣で物事を決めてた俺がこんなみょうちくりんな魔術士に負けるとは…」

エイル「おいおい、そんな凹まないでくれよ。傷つくだろ、私が」

ひょんな事から出会った2人、果たして幸か不幸か今回のお話はここまで、また次回「第2話 それが私の生きる道」でお会いしましょう〜それでは!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る