第34話 客

 「じゃあ、2人は友達ってこと?」

「そうです。でも最近様子がおかしいんですよ」

「そうなの?全然気づかなかった」

「レイさんが夢に来る前におかしくなったんですよ。確か、8年前ですよ」

「そうなんだ。俺のお父さんが死んだのと同じ年・・・」とレイはふと頭に浮かんだことを呟いた。

「・・・まあこんな暗い話しないで、僕の家に行きましょう」

「うん」2人は歩いて行った。

もうすっかり暗くなり、前方に小さな光が見えた。カルデの家だ。家の周りは夜に限らず、金色の綿のようなものが飛んでいた。

「あれ、今日は他にお客さんがいるみたいです」

「え?どこに?」レイは家をよく見たが、人影一つ見えなかった。

「あとでわかります」カルデはニコッと笑った。家に近づいていくと、金色の綿のようなものが生きているかのように、カルデに近づいていった。カルデがドアを開けようとノブに手をかけると、

「フワッ」と後ろからいい香りとともに、風が吹いた。

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