第十四話 ベルリーナさんの膝枕とお話

「あの・・・、ベルリーナさん、やっぱりこれ・・・」


「あらぁ? もしかして気持ち良くなぁい?」


「いえ・・・、そうではなくって・・・、その・・・、恥ずかしい、です・・・」



 休息を取るように言われた守くんでしたが、

顔を赤らめながらあたふたしており、休んでいるように見えません


 なぜそんな状態になっているかと言うと・・・、

ベルリーナさんに膝枕をされているからでした



「あらぁ、誰も見てないし、恥ずかしがることなんてないじゃない♪」


「そうじゃなくて・・・、その・・・、見られてなくても、

落ち着かなくて・・・」


「どうしてぇ?」


「えっと・・・、それは・・・、その・・・」



 守くんはドキドキしっぱなしですが、それも無理はないでしょう


 何せ、真上にはベルリーナさんのとても豊かな乳房が

呼吸に合わせて静かに揺れ、ひそかに自己主張していました


 かと言って、それを見ないように目を瞑れば、

今度は後頭部に感じる柔らかな太ももの感触に意識が向いてしまいます


 深いスリットの入った薄いスカートは、肌触りも良いうえに

太ももの触り心地をほとんど遮らずに伝えていました


 とても刺激的な光景や感触から逃げることができず、

守くんは必死に目と意識を逸らそうとしています



「い~い? 魔力を回復させるにはとにかく休息よぉ♪

おいしいご飯を食べたりぐっすり眠ったり・・・、

そうすることで自然に魔力も増えていくの♪」


「そ・・・、それはさっきも聞きましたけど、やっぱり・・・」


「地面に寝転がるよりは、こうして膝枕してあげた方が

リラックスできるでしょう?♪ 今あなたがするべきことは

しっかり休むこと♪ 分かったかしらぁ?♪」


「は、はい・・・、分かりました・・・・・・」



 倒れるように地面へ寝転んでいたところへ

有無を言わさず膝枕されてしまった守くん


 とてもじゃないけど落ち着くことができそうにない状況ですが、

これで本当に効果があるのか疑問を抱きます


 じっとしていられないものの、まだあまり動けるような状態でもないため、

少しでも気を紛らわせようと、守くんはベルリーナさんへ話しかけることにしました



「あの・・・、ベルリーナさんって何をされてる人なんですか?

アミーお姉さんもお世話になった先輩だって言ってたし・・・、僕にもいろいろ教えてくれるし・・・」


「あらぁ?♪ 私に興味があるのぉ?♪ うふふ、いいわよぉ、

少し教えてあげましょうかぁ♪」


「は、はい・・・、お願いします」


「私はねぇ・・・、一言でいえば、「偉い人」かしら♪」


「えらいひと・・・、ですか?」


「そうよぉ♪ シュクトゥル・セージュの資格を持っている人の中でもほんの一握り、

更に貴重な資格を持っているのよぉ♪ その名も「ファクル・ディプス」、

これは魔法や魔物に関する研究でとても大きなことを成し遂げた人だけが持てる資格なの♪」


「そうなんですか? すごいです・・・♪ ベルリーナさんの研究って

一体どんなものなんでしょう?」


「そうね・・・、いろいろあるんだけれどぉ、あなたに教えた魔素と魔力の関係や、

魔力の回復力が変化する条件を調べたり・・・、それに魔法の特殊な使い方や新しい魔法なんかも作ったのよぉ♪」


「そんなにいっぱいあるんですか? ベルリーナさんってすごい人だったんですね♪」


「あら、今頃気付いたのぉ?♪ うふふ♪」



 なにやら大層なことをやってのけたらしいベルリーナさんですが、

事の重大さがよく分かっていない守くんは凄いことをやったという程度にしか認識していません


 とはいえベルリーナさんも詳しく説明するつもりはないらしく

楽しそうに笑うばかりでした


 膝枕されながらというちょっと変わった形の談笑でしたが、

段々気が紛れてきた守くんは興奮も冷め、気分が落ち着いてきます


 すると、なんとなくですが

身体に少し力が戻ったように感じました



「・・・あの、気のせいかもしれないんですけど、

もしかしたら動けるようになったかもしれないです」


「あら♪ ということは順調に魔力が回復してきたみたいねぇ♪

まあ、ひどい枯渇状態じゃなければ・・・、つまり魔力がほとんどなくなっちゃうほど

減っているんじゃなければそれなりに早く回復できるわ♪」


「そうなんですか・・・、じゃあそろそろ」


「もうちょっと待ちなさぁい?♪ もっとしっかり回復してもらわないと

次の特訓ができないわ」


「わ、分かりました・・・」



 もう立ち上がれそうな気がする守くんですが、

言われた通り大人しく膝に頭を乗せ続けます


 話が一度区切られたからでしょうか、

ベルリーナさんは荷物から何か取り出しました



「おしゃべりしてたらちょっと喉が渇いちゃった、

悪いけど、お水を飲ませてもらうわねぇ♪ よければあなたも飲む?」


「僕は・・・、えっと、起きてから飲みます、ありがとうございます」


「そうね、じゃあ失礼して・・・」



 そう言うと、上の方で軽い物のこすれ合うような音が聞こえてきます


 ベルリーナさんの大きなおっぱいに遮られてよく分かりませんが、

恐らくは蓋を開けているのでしょう


 ところが、その音が少し変わった直後、ベルリーナさんが小さな声を上げ、

守くんの腹部に何か落ちてきました



「あっ」


「? 何かお腹に落ちてきました、これなんでしょう?」


「ごめんなさぁい、キャップが落ちちゃったのよ、

あ、動かないで、私が取るから」



 ベルリーナさんはそう言って手を伸ばそうとしますが、

キャップは思ったより離れていたらしく、そのまま上体を倒します


 言われた通り動かないでいた守くんは、

その様子を呆然と見ていましたが・・・


 とてもとても大きなベルリーナさんの胸は

とうぜん体の動きに合わせて下に降りてきます



「あっ・・・」



 守くんが迫りくる巨大な乳房に気付いたものの、

既に何もできなに状態だったため・・・


 声を出す間もなく、豊満な胸が顔にのしかかってしまいました・・・


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