第十五話 ベルリーナお姉ちゃんの悪戯♡

「うぷっ・・・」



 守くんのお腹に落ちたキャップを取ろうとベルリーナさんが身体を曲げてしまったことで

胸部に携えていたとても大きなおっぱいが彼の顔へ覆いかぶさってしまいました


 あっという間に口を塞がれてしまった守くんは、

何も言えず、ただ豊満な胸を受け止めるだけとなっています



(んむ・・・、く、苦しい・・・、こ、これ・・・、もしかしなくても・・・、

ベルリーナさんの・・・、お・・・、おっぱい・・・?)


(どうしよう、言わなきゃ・・・、でも、声、出ない・・・、

からだもうごかない・・・)


(また、おはなのおくがむずむずしてきた・・・、もう、だめ・・・)



 ほんの少し持ち上がりかけた守くんの手が力なく地面へ落ちるまで

たいした時間はかかりませんでした・・・


 どうやら、アミーお姉さんよりも一回り大きいうえ、

とても妖艶な身体付きをしていたベルリーナさんのおっぱいは余計に刺激が強かったようです


 一方、守くんが大変なことになっているとは知らないベルリーナお姉さんは、

のんきなことを言いながらキャップを拾い、喉を潤していました



「よいしょ・・・っと、落ちたのがマモルちゃんのお腹の上で良かったわぁ♪

キャップが汚れずにすんだもの♪ ・・・なんて言ったらいけないかしらね♪」


「んくっ・・・、ふぅ、こう日差しが強いと喉が渇きやすいわねぇ・・・、

あなたも後でちゃんと飲んでおきなさいよぉ?♪ 魔力の回復だけじゃなく、体調にも気を・・・」



 ベルリーナさんがそう言いながら身体を傾けて

守くんの顔を覗き込んだところで、ようやく異変に気が付きます


 とはいえ、両方の鼻の穴からとめどなく血を流している守くんを見れば

誰だって大変なことになっていると分かるでしょう・・・



「あらぁ・・・? ちょっとどうしたのマモルちゃん?

鼻血がいっぱい出ちゃってるじゃないのぉ」


「は、はひぃ・・・」


「のぼせちゃったのかしらねぇ・・・? ともかく手当しなきゃ・・・、

こっちで回復の魔法をかけてあげるから・・・、はい、これ鼻に詰めておきなさい?」



 ベルリーナさんは守くんに丸めた紙を手渡すと、

そのまま顔に手をかざしてぼんやりした光を出します


 その光に顔を照らされていると、少しだけ気分が落ち着き

鼻血も止まったように感じられました



「う・・・、あ、あれ・・・? なんだか調子が良くなった気がします・・・」


「大丈夫ぅ・・・? 回復魔法がちゃんときいたみたいね、

一応血は止めておいたけど、下手に触るとすぐに傷が開くわよぉ」



 どうやら今のが回復魔法らしく、

守くんの血を止めてくれたようです


 しかし、完全に治ったわけではなく

油断しているとまた血が出るかもしれないと忠告されました


 目の前に鼻血の原因となった大きなおっぱいがあるこの状況では

また血が出てしまうかもしれないと思い、守くんは急いで起き上がることにします



「わ、分かりました・・・、もう身体も動くようになったから起きますね・・・、

休ませてくれてありがとうございます」


「あら、もういいのぉ・・・? 暑さにやられちゃったなら

なおのこと休んでおいた方がいいと思うけど・・・」


「ほ、本当に大丈夫ですよ? ほ、ほらこの通り・・・」



 元気になったことを示そうと、

守くんは手や足を大きく動かしてみせました


 しかし、膝枕の状態から抜け出すことだけを考えた行動は、

ベルリーナさんに別の疑問を抱かせてしまいます



「たしかに・・・、魔力はもう回復してるみたいだし、

暑さにやられちゃったわけじゃないみたいだけど・・・、

じゃあ、どうして鼻血が出ちゃったのかしらぁ・・・?」


「えっ? そ、それは・・・」



 守くんの異変に興味があるのか、気になったことはどうしても知りたいのか、

より詳しく追及するベルリーナさん


 もちろん、大きな胸が顔に乗ったことで興奮し、

鼻血が出てしまったなどと言えない守くんは言い淀んでしまいます



「気になっちゃうな~・・・♪ ね・え~・・・♪

どうしてなのか、教えてくれなぁい・・・?♪」


「うぅ・・・、だ、誰にも言わないでくださいね・・・?

じ、実は・・・、その・・・」



 ですが、ベルリーナさんからどこか悩ましい声で質問を重ねられると

守くんは答えなければいけない気がしてきます


 結局、魔法の素質と引き換えに女神様から貰わざるをえなかった素質の効果や条件などを

洗いざらいベルリーナさんに伝えてしまいました



「へぇ~・・・?♪ ようするにぃ~、マモルちゃんはぁ~・・・、

えっちなことされたりしたら鼻血が出ちゃうんだぁ~・・・?♪」


「えっと・・・、そんな感じ、です・・・、

あと・・・、僕の考えすぎかもしれないんですけど・・・、

なんだか女の人に頼まれごとをされるととっても断りづらくなった気がして・・・」



 聞かれてもいないことまで答えてしまっている守くんですが、

それを知った相手が良からぬことを考えないか、という部分まで頭が回っていないようです


 もっとも、過ごした時間は短いといえ、ベルリーナさんのことを

信頼している部分もあるからこそ言ってしまったのでしょう


 ところが今回、その判断は少し間違っていたと

言わざるを得ない事態が訪れます



「ふぅん・・・?♪ それはいいとしてぇ・・・、

マモルちゃんがさっき鼻血を出した原因はぁ、結局なんだったのぉ・・・?♪

私、えっちなことしてたつもりはないんだけどな~?♪」


「え、えと・・・、それは・・・、ひざ・・・ら、とか・・・、ぉ・・・い、とか・・・」


「なぁに?♪ 聞こえないわよぉ?♪」



 わざとらしく聞いてくるベルリーナさんに対し、

守くんは恥ずかしそうに顔を俯かせながら原因を呟きます


 自分が何に対して興奮してしまったかなど

恥ずかしくて言えないのは当然でしょう


 ところが、ベルリーナお姉さんはどうしても言わせたいのか

同じ質問を重ねてきました



「ほらほらぁ・・・♪ 恥ずかしがらずに言ってごらん?♪

お姉さんのどこに興奮しちゃったの?♪」


「あの・・・、ひざまくらされたことや・・・、

おっぱい、を、顔に押し付けられたとき、です・・・・・・」



 やはり素質のせいなのでしょうか、ベルリーナさんからの問いかけを

聞き流すことができず、守くんは思い切り顔を赤くし、

俯きながら恥ずかしい答えを口にします


 それを聞いたベルリーナさんは、いやらしい笑みを浮かべながら

守くんにこう言いました



「それじゃあマモルちゃん・・・?♡ こういうのも、えっちな気分になっちゃうのぉ?♡」


「えっ? ・・・わっ!」



 声につられて思わず顔を上げた守くんは、

ベルリーナさんの行動にびっくりしてしまいます


 それもそのはず、ベルリーナさんはスリットが入ったスカートを横にずらし

自分の下着を見せつけていたからです


 黒っぽく、かなり際どい三角の布が目に入った瞬間

守くんは慌てて顔を背けました


 しかし、一瞬とはいえ見えてしまったベルリーナさんのショーツは

しっかり脳裏に焼き付いてしまい、頭から離れてくれません



「うふふ・・・♡ そうなんだぁ・・・♡ マモルちゃんったら

お姉さんの下着見ただけで興奮しちゃうのねぇ・・・?♡」


「み、見てません・・・、すぐに目を閉じました・・・」


「でも、チラっとは見えちゃったんでしょう・・・?♡

鼻に詰めた紙が赤くなってるわよぉ・・・?♡」


「あ、あうう・・・」



 刺激的な光景にまた鼻血が出始めてしまったらしく、

鼻栓に血が滲んでいることを指摘されてしまいます


 守くんはあっさり何も言い返せなくなり、

あたふたすることしかできません



「それはそうと、いつまでそんなところ向いてるのぉ・・・?♡

いい加減こっちを向いたらどうかしらぁ・・・?♡」


「あの・・・、その・・・、もう、ぱん・・・、スカート、戻してくれました・・・?」


「そんなの、あなたがそっぽ向いたときにもう戻しちゃったわよぉ?♡

もしかして、まだ見えるかもって期待してた?♡」


「そ、そんなことありません・・・、よ・・・?」



 ベルリーナさんのからかいに焦った守くんは、

思わずそちらを向き、固まってしまいました


 なんとベルリーナさんは、スカートこそめくっていませんでしたが

今度は胸元を広げて胸元を見せつけていたのです


 とても大きな胸の谷間と、わずかに覗く下着と同じ色のブラジャーに

思考が追い付かなかったのか守くんは固まってしまいます


 そして、自分が何を見ているか理解すると

顔が見る見るうちに赤くなっていき・・・



「ぶふぅっ!」


「あらら・・・♡ 今度は思いっきり鼻血が出ちゃったわねぇ・・・♡

せっかく魔法をかけてあげたのにぃ・・・♡ 仕方ないからまた治療してあげましょう♡」



 勢いよく鼻血を吹き出してしまった守くんへ

悪戯っぽい笑顔を向けながら、治療すると言いつつ

谷間を見せつけるように近付いてくるベルリーナさん


 少し足元が覚束なくなってきた守くんは、

これ以上刺激的なものを見ていられないと言わんばかりになんとか顔を背けます



「べ、ベルリーナひゃん・・・、服、ちゃんと着てくだひゃい・・・」


「うふふ・・・♡ そうねぇ・・・、スキンシップはこのくらいにして

そろそろ真面目にやりましょうか♪

まだまだ今日の特訓は残ってるんだからね♪」



 そう言うと、ベルリーナさんは服を直して

もう一度守くんに治療の魔法をかけてくれました


 そして少し休むように言いますが、

その間、彼が持っている素質について改めて考えます



(女の人に弱くなる素質、だなんてずいぶん奇妙なものを貰ったものねぇ・・・、

魔法の素質を貰うのにこれが必要だったって部分はよく分からないけれど・・・)


(でも一つだけ分かったことがある、この素質は恐らく

マモルちゃんに対する『制御力』と『抑止力』になり得るのね・・・)


(私のお願いがなかなか拒めなかったところを見ると、

女性からの頼みごとを断りにくいっていう見立ては恐らく正解・・・)


(だとすると、良からぬことを企む人間に騙されて

危険なことをさせられる可能性だってあるわ)


(でも、今みたいなことをすれば恐らく無力化できる・・・)


(女神様の真意はともかく、もしも彼が危ないことに利用されそうなときは、

『これ』で止めてあげましょうか・・・)



 真剣な表情を浮かべながらも、自分のおっぱいを軽く揺らすベルリーナさん


 ふざけているのか真面目なのかよく分かりませんが、

ともかく先ほどのやり取りは女神様に貰った素質の効果を

確認するものでもあったようでした



(・・・それにしても、私の身体を見て顔を真っ赤にしたマモルちゃん、

とってもかわいかったわねぇ・・・♪)


(私のすることに思いっきり反応してくれて・・・♪

こんなにからかい甲斐のある子はアミーちゃん以来ね・・・♪)


(・・・うん、良し、決めたわぁ♪)



 ですが、やはり楽しんでいた部分もあったのでしょうか、

悪戯っぽい笑顔を浮かべて何度か頷いています


 そして、鼻血が止まったらしい守くんの方を向くと

嬉しそうにこう言いました



「ねぇマモルちゃ~ん、ちょっとい~い?♪」


「ふぁ、ふぁい・・・、なんでしょう・・・」


「突然だけどぉ・・・、今から私のことは

『ベルリーナお姉ちゃん』って呼んでちょうだぁい?♪」


「えっ? それは、どうして・・・」


「いいから早くぅ♪ さん、はいっ♪」


「べっ、ベルリーナ、お姉ちゃん・・・?」



 いきなりのお願いに戸惑いながらも、

守くんは言われた通りに呼びます


 すると、お姉ちゃんは嬉しそうに身を震わせ

次の瞬間勢いよく飛びついてきました



「きゃ~ん♪ かわい~♪ これよこれぇ♪

この感じ、久しぶりだわぁ♪」


「むぐっ・・・、べ、ベルリーナさん、少し離れて・・・」


「ダメでしょう?♪ 私のことはお姉ちゃんって呼ばなきゃあ♪」


「お、お姉ちゃ、抱き着かないで・・・」


「や~ん♪ もっと呼んで~♪

やっぱり可愛い子にお姉ちゃんって呼んでもらえるの最高~♪」


「むぐっ・・・、く、苦しい・・・、また・・・、鼻・・・が・・・」


「マモルちゃん、私あなたのこと気に入っちゃったわよぉ~♪

だからい~っぱい面倒見てあ・げ・るっ♪ 期待しててねぇ♪」



 嬉しそうに言うベルリーナお姉ちゃんは、

守くんの訴えなど聞こえていないのか更に強く抱きしめてきます


 胸の谷間に顔が挟まる恰好となった守くんが

そのまま意識を保てるはずはなく・・・


 いつの間にか、大量の鼻血を出しながら気を失っていました・・・


 何がどうなってここまで気に入られたかは定かでありませんが、

いずれにせよ、守くんはこの世界に来て二人目の協力者、そしてお姉ちゃんができてしまったようです・・・



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