第21話 【熱烈歓迎】

獣人ウェア 鼠族ラット集落むらは、獣人ウェア 兎族ラビット集落むらの時より、もっとお祭り状態になってしまった。


持ち込んだお肉との物々交換は、鼠族ラットが物々交換しなくても、何かをくれる勢いで話が進んだ。

彼等にしたら、光一コーイチ達 【人類村じんるいむら】から来た一行は、英雄なのだろう。


退治した大蛇のお肉は、特に喜んで物々交換してくれた。


当然 その夜は獣人ウェア 鼠族ラット集落むらで泊めて頂く事になった。


ちなみに、獣人ウェア 鼠族ラットの姿は、幼稚園の小さい子くらいの大きさの手足が人間に似たハムスターやモルモットと言う感じ。

当然 メチャクチャ可愛い。


物々交換が終わったら、当たり前の様に、歓迎の宴が始まった。

折角 物々交換したのに、そのお肉を惜しげなく食べろと伝えてくる。


「大蛇のお肉 美味うまっ!」


コーイチが呟く。


「うん。これは美味しいね」


一暗イアンも同意する。


そして、イアンは鼠族ラット族長おさ憑依カバーで繋がり、今回の目的を伝える。


「僕達の目的の一つは、この集落むらの南西に在る山に、僕達の居住地を、新しく作っても良いのかの確認をしに来ました」


それを伝えられた族長おさ


[良い 住む 良い 住む 嬉しい 嬉しい]


と、快諾してくれた。


[こわい 大きい 蛇 狩って こわい 大きい 蛇 狩って]


そう付け加えて伝えてきた。


狩りをする【人類村じんるいむら】からの移住者は、鼠族ラットの驚異となる巨大なけものを狩ってくれる、頼もしい存在と受け入れられた様だった。


「喜んで新しい居住地を受け入れてくれたよ」


そうコーイチに伝えるイアン。


「それは良かったね。明日 山まで見に行こう」


明日 候補地を見に行く事にする。


コーイチ達の中の憑依カバーを使える白い髪の子は、鼠族ラット達から、この周辺で採れる食材を教えて貰っていた。


「そうなんだ?こんなのも採れるんだね。タケノコみたいで美味しい」

「これはなに?」


[池 採れる 池 草 草 実]


「へー!池の中の草の実なんだ!?」


獣人ウェア 鼠族ラット達は、他の獣人ウェアよりも水を嫌がらない。

好む食べ物は、肉より植物なので、水辺の植物の事を、獣人ウェア 兎族ラビットなど他の獣人ウェアよりも知っている。

そして、一番 好む食べ物は、木の実なので、その知識は豊富だ。

農耕を主とした白い髪の子達の良い先生になってくれそうだ。


イアンは憑依カバーで繋がっている鼠族ラット族長おさから、周辺の事を教えて貰っている。


「そうなんだ?この周辺は、兎族ラビット達が言っていた様に、他の種族は居ないんだね?」


[いない 他 いない]


「大蛇はよく出るの?他の危険な生き物はいるの?」


[こわい 出る 出る こわい 大きい 蛇 大きい 蛇 出る]


「大蛇が出やすい地域なんだね」


[狩って 狩って 狩って 狩って 狩って]


「うん。居住地を確保したら狩るよ」



そんな感じで情報収集をしっかりして、それぞれ眠りについた。







翌日 コーイチ達一行は、山を目指して出発する。


「お世話になりました」


コーイチが代表して挨拶して獣人ウェア 鼠族ラットと別れる。


「それじゃあの山を目指して行こうか」


遠くに霞んで見える山に向かう。


移動の途中で、獣人ウェア 鼠族ラットから教わった植物を採取する白い髪の子達。

特に教わった木の実を集める。


「これ美味しかったよね」

そんな事を話しながら楽しんで採取していた。


山までもう少しだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る