32

そしてあっという間に日々が過ぎて行き、マサヤの城へ行く日になった・・・。


「じゃあアリア、そろそろ行くぞ」


「ええ、お父様」


勝負受けて立つって思ったものの、いざ当日になると不安になってきた。

だけど、このままの状態じゃ本当にマサヤと結婚させられそうだし。

頑張らなきゃ!!

ファイト~私!!!


そしてマサヤの城に到着。


う~ん、やっぱり凄い家だ・・・。


私の家より少し小さいくらいの大きさだけど、私にとっては広すぎだよ・・・と心の中で思っていたら


「タカオ国王様、アリア姫様こちらにどうぞ」と言うメイドさんの声が聞こえた。


「はい、お父様行きましょう」


「ああ」


ちなみにタカオ国王とは私の父の名前。

こっちの世界でも同じ名前って笑えるけど。

ってそれは私も同じか、あははっ。

そして案内された部屋は大広間。

しかし、なんでこんなに無駄に部屋が広いわけ?

お金持ちの家って大体そうだよね。

そんな事を思ってると大広間のドアが開いて、誰かが入ってきた。


「ようこそお待ちしていました。タカオ殿、アリア姫」とその人はニッコリ笑って言った。


この人がマサヤのお父さんなのかな?

優しそうな感じの人だった。

マサヤと全然似てないから、本当に親子なのかな?って思うくらい。


「お久しぶりです。アキラ殿」と笑顔で言う私の父


え?久しぶりって、もしかして顔見知りなの?

私そんな事聞いてないんですけど!!


「ああ5年振りでしたね。それにしてもアリア姫は、ますますお綺麗になられましたな」


「いやいや、うちの娘は相変わらずのお転婆娘ですよ。はははっ!」


お転婆って、まぁ確かにおしとやかじゃないけどね。あははははっ。


「アリア姫、結婚のことなんだがうちのマサヤでいいのかい?」


うっ全然良くないです。

でもこんな事言える雰囲気じゃないし・・・どうしよう。


「マサヤ君なら大歓迎ですよ。それよりアリアがマサヤ君に釣り合うかどうか不安ですな」


「アリア姫なら、こちらも大歓迎ですよ」


あのお二方、もしも~し勝手に話進めないでくれません?


「それにしてもマサヤはまだなのか?」とマサヤのお父さんは側近らしき人に聞いた。


「もうすぐ来られると思います」


「そうか。タカオ殿、アリア姫待たせてすみません。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る